米国に留学「日本人は英語のセンスがない」の一言が屈辱
日本の高校生の英語コミュニケーション能力は世界で大きく後れを取っている――。これは、この夏「トビタテ!留学JAPAN」の奨学生として米国へ短期留学した私が感じた、認めたくはないが受け止めなければならない日本人高校生の現実だ。私が米国で通っていた語学スクールは世界中の国から学生が集まっていたが、中でもやはり欧州の出身者は比較的英語がうまい。しかしよく聞くと、彼らの話す英語にも違和感のある箇所はいくつかあった。だが彼らは間違いを気後れせず話すのだ。
日本人は欧州人とは違う。自分の英語に少しでも自信がなければ外国人相手に一歩引いてしまう。私もその一人だ。すぐに口を閉ざしてしまう日本人に対して、ある日フランス人の学友が「日本人は英語のセンスがない」と鼻で笑った。今でも屈辱的な記憶として残っている。
間違えても意識しない 「焦り」で変わった自分
その後留学中、私は間違えても意識しないことを意識して会話することを心掛けた。通じないことも多々あったが、それでも話さないよりは伝わった。このように意識を変えるに至ったのは、成長、などといった大層なものではなく、単に自分の中に生まれた「焦り」がそうさせた。
既に中国や韓国など大陸に位置する国家や台湾は、日本に先駆けて高度な英語コミュニケーション教育を実施している。実際、同じスクールにいた中国出身の友人たちは流ちょうに英語が話せる人ばかりだった。彼らのような英語コミュニケーションに長(た)けた人材が同じアジアの隣国にいることを知ると、戦慄(せんりつ)を禁じえなかった。
日本は確かに大国であるが、しかし島国だ。日本にこもっていたら見るべきこの国の現状も見えはしない。日本の高校生はもっと積極的に海外に飛び立ち、外からこの国を眺め、そして焦ったほうがよいのではないか。(矢舗怜央奈・2年)