184㌢の長身と長い腕を生かしてリバウンドを奪う山下さん

 

昭和学院高校女子バスケットボール部は昨年、全国高校バスケットボール選抜優勝大会(ウインターカップ)で2年連続位入賞を果たした強豪。今年に入り大エースが卒業したが、経験豊富な主力メンバーを中心に、「自立」を課題に掲げて練習に励んでいる。(文・写真 青木美帆)

悔しい県大会準優勝

1月に行われた県新人戦決勝で、市立船橋高校に54-58で敗れ、5年ぶりに県大会優勝を逃した。副将の平野尚さん(3年)は「絶対に勝たなければいけない試合だったのに、自分たちのちょっとした甘さを突かれて負けました。悔しいというよりも情けなかったです」と振り返る。

今年のチームは、主将の佐古愛さん、大塩菜々子さん、宗形真李さん、山下詩織さん(以上3年)、星杏璃さん(2年)が、昨年のウインターカップでプレーしている。しかし彼女たちには、得点、リバウンド、ディフェンスと随所で絶大な力を発揮していた赤穂ひまわりさん(3月卒業、デンソーアイリス)に大事なところで頼ってしまうという課題があった。

鈴木親光監督は昨年度から、現2・3年生に自立」を促していた。しかし、佐古さんは「今でも『誰かがやってくれるだろう』というプレーが多いです」と話す。

3年生「変わらなければ」

2月に行われた関東新人戦は準々決勝敗退。前半に奪ったリードを守りきれず、逆転負けだった。「県大会と同じような展開でした。自分たちの甘さが分かっていたのに、同じことを繰り返したのは意識が足りないから。最上級生になって誰かに助けを求めている場合じゃない。一人一人しっかり自覚を持ってやろう、と言葉を掛けました」(佐古さん)

「まずは自分たちが変わらなければ」と3年生だけで話し合い、プレー面や生活態度から率先して後輩たちの手本になることを決めた。

誰かに頼る意識は捨てる

1試合で30得点10リバウンドを稼ぐエースが卒業した今年は、コートに立つ5人全員の活躍が必要不可欠。今年のチームは、昨年よりもディフェンスを強調したアップテンポなバスケを徹底している。選手の運動量は増すが、平野さんが「誰かに頼っている暇はありません。休む暇もなく全員がやらなければ」と話せば、佐古さんも「誰かがサボれば、そこでおしまい。全員が最後まで手を抜かずにやりきる意識が必要です」と続ける。

3年生にとって集大成となるウインターカップで狙うのは、当然、3位よりも1つ、2つ上の成績だ。佐古さんは「一昨年、昨年の先輩たちのすごさを感じた上で、今年はそれを超えなきゃいけないとも思っています」と、力強く抱負を語った。

部活データ

部員44人(1年生19人、2年生12人、3年生13人)。部訓は「Thinking and power」。練習は週6日。ウインターカップ出場39回、優勝5回。全国高校総体(インターハイ)出場49回、優勝1回。