くのり・せいあ 2001年3月31日、京都府生まれ。上京中卒。5歳でサッカーを始める。中学時代は京都サンガF.C.のU-15に所属。2018年インターハイ優秀選手。意識しているのはポーランド代表レバンドフスキ。好きな教科は日本史。179センチ、67キロ。

今夏のインターハイのサッカーでベスト4に入った東山(京都)が、22年ぶり3回目の全国高校選手権への出場を決めた。攻撃の中心はFW久乗聖亜(3年)だ。

状況判断に優れたフォワード

ピンポイントで味方に通すパス、巧みに切り返して相手を抜くドリブルなど、技術への評価が高い。加えてタイミングよく飛び出して味方からボールを引き出し、ボールを受ければドリブルやパス、シュートなど瞬時に選択してチャンスをつくり出す。視野が広く、状況判断に優れた選手だ。

インターハイの準決勝で、久乗は無得点に終わった。「相手のセンターバックが強く、得点力に欠ける自分の弱さが目立って本当に悔しかった」。この思いをモチベーションに変え、「フォワードとして練習のときからシュートで終わる、シュートを決めきることを意識してきた」。さらに「今年のチームは、突出した力を持つ選手はいないので、チーム力や組織力が鍵になる。自分が起点となるシュートやクロス、相手守備を崩す練習に取り組んできた」という。

迎えた選手権京都予選。京都共栄との決勝では、練習の成果が発揮された。開始4分、「自分が欲しているスペースにクロスがドンピシャに来た」。ゴール前に走り込み、頭で合わせて先制した。「自分が点を取ればチームもよくなると思うんで、ほっとした」。しかし、満足はしていない。「大会を通じて自分が決めていればチームが楽になった場面や、ボールを失って守備陣に迷惑を掛けた部分も多かった」と反省も口にする。

状況判断に優れる久乗

「怖い選手になる」

全国大会に向けて「もっと怖い選手になってピンチをチャンスに、チャンスをゴールにつなげ、日本一を取りたい」と話すエースは「(チーム内の)意思疎通を徹底できればいい結果がついてくると思う。チームのため、仲間のために全国で暴れたい」と意気込んでいる。(文・写真 木和田志乃)