慶應義塾大学は、国が進める大学入試改革が本格化する2021年度学部一般入試(2020年度に実施)の方針を明らかにした。センター試験の後継となる大学入学共通テストは全10学部のいずれの学部でも利用しない。

慶應大は現在も学部一般入試でセンター試験を利用していない。21年度入試でも大学入学共通テストを利用せず、各学部のアドミッションポリシーに則った独自の試験で選抜をする。また、21年度入試からは、国が認定した英語民間試験の結果を大学入試センターがとりまとめて各大学に提供する仕組みが始まるが、慶應大は英語民間試験もどの学部でも利用しない。将来的な利用については「引き続き検討」するとしている。

一方、インターネット出願の際に「『主体性』『多様性』『協働性』に関する経験」の入力を全学部の出願条件に加える。出願する学部数によらず、1回の入力でよく、「入力した内容は合否判定に用いることはせず,入学後の学習指導上の参考資料としてのみ活用」するという。国が各大学に一般入試でも「主体性」などを考慮した選抜を行うよう求めていることを受けた対応とみられる。早稲田大学政治経済学部も同様の記入を求めつつ、選抜には使わない方針を示している。早大は、高校時代に主体的な経験をすることが重要としつつも「大規模大学が出願から合格発表までの期間に(記入内容を)詳細に分析し、得点化するのは現状では困難」と説明している。