全国大会の常連として奮闘する習志野(千葉)男子バレーボール部。日々の練習で重視するのはブロックとレシーブだ。組織力がものをいう守備面を徹底的に鍛えることで、毎年、安定した強さを保っている。 (文・写真 小野哲史)

ブロックの形を意識

台上の高い打点から打ち込まれる力強いスパイクを1人で、あるいは2人や3人が横に並んで壁となって食い止める。ブロック練習に特に熱を込めるのは「最初の守備であると同時に、最初の攻撃でもあるから」と主将の峯川優心(3年)は言う。「そこでつぶすことができれば、相手に精神的ダメージを与えられる」という利点もある。センターとしてブロックの要を担う星倉元(3年)が、味方のレシーブを助けるワンタッチブロックよりも、直接ポイントになるシャットアウトブロックにこだわるのも同じ理由からだ。

8月の国体関東予選では、自らのブロックで流れを引き寄せて接戦をものにした試合があった。その経験から星倉はブロックの重要性をあらためて感じたと話す。「ブロックは相手の速い攻撃に対し、遅れて跳んでも意味がない。だから、高さよりも素早い横移動と横にいる味方と間を空けないこと、そして手をしっかり前に出す。まず形を作ることを意識しています」

ブロック練習

コーチが放つ強打をシャットアウトする練習。2人や3人で跳ぶときは「せーの」と呼吸を合わせ、隙間ができないように跳ぶ

 

 

次につながるレシーブを

コーチがランダムなコースに打ったり、落としたりするボールを3人で返す「3メン」。ただ拾っただけでは石田勉監督から厳しく指摘を受ける。リベロの森山陸人(3年)は「最初のレシーブが乱れれば、どうにか返球するだけになって、結局はまた相手から攻撃されてしまう。だからレシーブは、自分たちから攻撃できるように、うまく2本目につながないといけません」と語る。

相手の攻撃に押し込まれたときこそ「1本目は高さのあるボールでつなぐことを意識する」という。その間に自分たちの陣形や態勢を立て直し、攻撃に転じるというわけだ。「とにかく相手が攻撃してきたスパイクを拾うことを心掛ける。今まで触れなかったボールを少しずつでも触れるようにし、今度はつなげるようにする」(森山)。その意識の徹底が、チームの反撃につながるプレーとなる。

レシーブ練習

3メンではボールを直接受けない2人も的確なポジション取りを意識し、そこから攻撃に転じられるように動く必要がある

 

ゲーム形式で練習

それまでやってきた技術練習を実戦練習で試す。本番さながらに声を出し、強みを伸ばすと同時に新たな課題を見つける

 

 

平日の練習の流れ

   15:45
ウオーミングアップ
フットワークトレーニング。パス練習
   16:30
レシーブ練習(3メン)
   17:00
ブロック練習
   17:30
スパイク練習
   18:00
サーブ練習
   18:15
チーム練習(ゲーム形式)
   19:00
練習終了

 

 
【TEAM DATA】1957年創部。部員30人(3年生11人、2年生10人、1年生9人)。部訓は学校の理念と同じ「雑草の如(ごと)く逞(たくま)しく」。春高バレー優勝1回(85年)、インターハイは3位が最高(2017年)。主なOBは元全日本代表の蔭山弘道氏、杉本公雄氏ら。