大学入試センター試験が廃止され、2021年1月から新たな共通試験「大学入学共通テスト」(新テスト)が始まる。現在のセンター試験と出題科目や配点、試験時間は変わるのだろうか。

Q 新テストの出題科目は?

文部科学省の方針によると、2021年から4年間は、現在のセンター試験と同じ教科・科目が出題される。これは、高校の学習内容を定める学習指導要領が変わらないためだ。高校で学んだ内容を基に大学で学ぶ力を試す試験という性格も変わらない。問題を解くのに必要な知識は変わらないということだ。

大学入学共通テストの出題教科・科目の予定(大学入試センターが2018年6月に公表した資料による)

Q 何が変わるの?

大学入試センターは、新テストの出題を、考える力や表現力をより必要とするものに変えたい考えだ。知識を生活や学習で活用する力や、いくつかの資料を読み解く力を試す出題も重視するという。実際、2017年度に実施された試行テスト(プレテスト)ではそのような問題が多かった。また、センター試験は全てマーク式解答だが、新テストでは表現力を問うために、国語の大問1問(小問3問)と数学の小問3問は記述式で解答する出題になる。

Q 試験時間は変わるの?

記述式の出題の導入に伴い、試験時間が延びる。「国語」は100分(センター試験は80分)、「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・数学A」は70分(センター試験は60分)となる。他の科目の試験時間は変わらない。

Q 配点はどうなるの?

各科目の配点についてはまだ公表されていない。ただし、大学入試センターは、国語の記述式問題の採点に限っては、点数ではなく段階別評価とする方針を明らかにしている。各大学は、センターから提供された記述式の段階別の成績を点数に換算するなどして選抜に利用することになる。一方、数学の記述式問題は、マーク式解答の問題と同様の配点になる。各科目の配点が大きく変わることは考えにくいが、各科目の問題構成はセンター試験と変わるため、科目内の配点は程度の差はあれ変わるだろう。英語では、筆記試験と聞き取り試験の配点を同じにすることを検討している。

また、現在でも大学によってはセンター試験の特定の科目に重みをつけて選抜に利用することはある。新テストでは、センターから大学に素点とは別に科目ごとの段階別評価も提供する方針。大学によっては段階別評価を利用するところも出てくるかもしれない。

Q 22年以降も変わらない?

 21年1月から24年1月の4回は、出題科目に変更はない見込みだ。2025年4月に大学に入る人からは、高校の学習指導要領が改定されるため、新テストの出題もだいぶ変わりそうだ。文部科学省は、出題科目を変更したり、国語・数学以外にも記述式を増やしたりすることを考えているが、正式な検討はこれからだ。