ノーベル医学生理学賞に京大の本庶先生ら がんの新たな治療法に道

2018年のノーベル医学生理学賞は、がんの免疫療法を開発した京都大学の本庶佑(ほんじょ・たすく)特別教授(76)と米国テキサス大学のジェームズ・アリソン教授(70)に授与されることが決まった。人間の体内には病原菌などの異物を攻撃して排除する免疫の仕組みが備わっているが、がんは免疫の働きにブレーキをかけて攻撃を阻止してしまう。2人は、ブレーキ役の分子を見つけ、ブレーキを解除してがんへの攻撃を続けさせる治療法を考えた。

がんの治療法はこれまで、外科手術、放射線療法、抗がん剤が中心だったが、免疫療法という第四の治療法に道を開いたといえる。日本のノーベル賞受賞者は、米国籍取得者も含めて26人目。医学生理学賞は、2016年の大隅良典東京工業大栄誉教授以来、2年ぶり5人目。(10月1日)

トヨタとソフトバンクが提携、移動サービスで新会社

トヨタ自動車とソフトバンクグループは、新たな移動サービスの事業で提携することに合意したと発表した。共同で会社を設立し、まず企業や自治体向けの配車サービスを開始。将来的には自動運転車を使って交通手段が限られる地域での宅配や病院への送迎、海外での事業展開などを進める考えだ。移動サービスは、今後世界で、飛躍的に拡大する事業と見込まれており、自動運転車の開発競争も激しくなっている。日本を代表する二社は提携によってこの分野の主導権をとることを狙う。(10月4日)

ノーベル平和賞は紛争下の性暴力と闘う2人に

2018年のノーベル平和賞は、内戦状態が続くアフリカのコンゴで性暴力被害者の治療や国際社会への発信に取り組む医師のデニ・ムクウェゲさん(63)と、過激派組織「イスラム国」(IS)による性暴力被害者で、国連親善大使として性暴力の実態を告発するイラクの人権活動家、ナディア・ムラドさん(25)の2人に授与されることが決まった。ノーベル平和賞は、ノルウェーのノーベル賞委員会が選考し、国際平和に貢献した人物や団体に贈られる。(10月5日)