年間3億トン、多額の損害
ペットボトルやレジ袋、コンビニ弁当の容器、ストロー…。プラスチック製品は便利な生活を支える一方でポイ捨てされ、海洋生態系などに大きな影響を及ぼしている。経済協力開発機構(OECD)がこのほどまとめた報告書によると、世界のプラごみは年間3億トンを超え、観光や漁業にもたらす損害は年間130億ドル(約1兆4千億円)に上ることが分かった。
プラごみの発生量は最新データの2015年に3億2千万トンと、1980年の約5千万トンから6倍に増加、2050年までに累積約120億トンになると予測されている。
日本の対応は遅れ
今年6月にカナダで開かれた先進7カ国首脳会議(G7サミット)ではプラごみを減らすための数値目標を盛り込んだ「海洋プラスチック憲章」が承認されたが、日本と米国は署名を拒否。環境団体などからは批判が相次いだ。
国連環境計画(UNEP)によると、世界では60以上の国・地域が使い捨てプラ製品の生産を禁止したり、使用時に課金したりする規制を導入済みだ。米国は国レベルの規制はないが、カリフォルニア州やニューヨーク市など多くの地方政府で規制があり、日本政府や自治体の対応は遅れている。
プラストロー取りやめも
規制の動きは企業にも広がっている。米コーヒーチェーン大手スターバックスや米娯楽大手ウォルト・ディズニー・カンパニーなどがプラ製ストローの使用をやめると発表。国内では、ファミリーレストラン「ガスト」や「ジョナサン」を運営するすかいらーくホールディングスが20年までにグループ全店でのプラ製ストローの使用を取りやめると発表した。