国が高校生の留学を応援する「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」の奨学生として昨年夏に南アフリカ共和国に2週間留学した中島彩夏さん(神奈川・桐光学園高校3年)に体験記を寄せてもらいました。
貧困地域への理解を深めたかった
高校1年生の冬、一度落ちたトビタテ留学JAPAN!にどうしても受かりたくて、もう一度応募しました。奇跡的に合格し、2年生の夏、自分が本当に高校生のうちに挑戦してみたかった国際ボランティア留学を経験しました。
私は貧困地域について理解を深めるため南アフリカに行きました。
南アフリカを選んだのには二つの理由があります。一つ目は格差です。南アフリカの都市部は大きなモールやビルが並ぶ大都会です。それに対してタウンシップと呼ばれるアパルトヘイト(人種隔離)時代の旧黒人強制居住区は、崩れかけている家が並んでいます。その大きすぎる格差に衝撃を受け、実際に訪れたいと思いました。二つ目はとにかく一人で遠くに行ってみたかったからです! フライトが23時間の英語圏である南アフリカは私にとって「夢の国」でした。
目をキラキラさせた子どもたち
南アフリカの人たちはみんな明るくておちゃめで、ダンスがとっても上手でした。
活動場所のタウンシップでは、ケアセンターで子どもたちのお世話、炊き出し活動への参加、古い建物の色塗りをしました。ケアセンターの子どもたちはとにかくかわいくて、いつも目をキラキラさせながらSayaka!Teacher!と私を呼び抱きついてきます。外で飛行機を見つけただけで大喜びです。いつもニコニコのタウンシップの人たちと交流する中で、貧困が必ずしも不幸ではないことを知りました。貧困地域の物資は確かに貧しいけれど、理由もなく社会的に不利な立場におかれても明るく生きる街の人たちの心はとっても豊かであるということを。
「ひらがな」で距離縮まる
私が参加したプログラムは、世界各国の高校生26人と同じ家にホームステイしながら、ボランティア活動をするというものでした。
ステイ先の家はいつもにぎやかで充実していました。夜遅くまで起きてみんなでリビングで話したり、オランダ人の子からオランダ語を学んだり毎日が新鮮でした。ですが、ヨーロッパやアメリカの友達の速い英語に苦労しました。そこで私は日本の文化を毎日彼らに紹介し、交流するきっかけをたくさんつくりました。みんな興味津々で、「ひらがなで僕と妹の名前を腕に書いてくれない?」と頼んでくれたり、日本の文化のおかげでみんなとの距離が縮まりました。本当に大事なのは英語力ではなく、どれだけその人と仲良くなりたいかという「気持ち」だと実感しました。そんな仲間たちと、タウンシップの元気な人たち、愉快なスタッフさんと過ごした2週間は私の宝物です。今年は「高校生外交官」のプログラムにも参加し、アメリカで違った方面から国際協力の理解を深めました。そして将来はJICAの隊員として、途上国の小学校の先生になります!
高校生としての留学は刺激的で、無邪気に交流でき、留学でのたくさんの失敗、成功すべてが将来の自信になります。南アフリカは料理もおいしくて、大自然もあり、野生のダチョウもいます! そしてなにより人が元気で輝いています! そんな人たちに会ってみたいなあと少しでも興味を持った人、冒険心あふれる人にオススメです! 行って絶対に後悔しません。