高校生に知ってほしい、正しい勉強方法の基本について、家庭教師や塾経営を経て参考書などを多数執筆している船登惟希さんに教えてもらった。(安永美穂)

Q.授業の予習のやり方は?

 

A.解説が詳しい参考書で全体像をつかもう。

教科書ではなく参考書を使う

予習よりは復習の方が重要なので、予習にはあまり時間をかけすぎないようにしましょう。短時間で済ませるコツは、教科書ではなく参考書を使うこと。授業内容をわかりやすく解説している簡単な参考書にサラッと目を通し、授業の全体像をつかんでおきます。教科書は先生が授業で補足することを前提として作られているため、予習で使うには適していません。

英語・古語は単語の重要度を確認

英語や古文の単語の意味を調べるときは、辞書ではなく単語帳を使うと、その単語がどれくらい重要なのかが分かります。単語帳に載っている単語なら覚える必要がありますが、載っていない単語は教科書に意味を書き込むなどして、授業で困らないようにしておく程度でかまいません。高校では新出単語を全て覚えようとすると時間が足りなくなってしまうので、予習の時点で単語の重要度を確認して、重要なものから優先的に覚えていきましょう。

授業の前後にはノートに目を通す

授業が始まる1~2分前には、前回の授業のノートをザッと読み返してどんな流れだったのかを思い出しておくと、その日の授業を理解しやすくなります。授業が終わった直後も1~2分でノートを読み返し、その日に習ったことのポイントを頭の中で整理しておきましょう。参考書での予習に加えて、この授業前後の確認を習慣にすると、授業の内容がより理解しやすくなるはずです。

 

船登惟希(ふなと・よしあき)  東京大学理学部化学科卒業。学習参考書などを多数執筆。著書に「高校一冊目の参考書」(KADOKAWA)、「高校の勉強のトリセツ」(学研プラス)など。