西日本に大きな被害を もたらした「平成30年7月豪雨」。広島県呉市では、人的被害、交通機関の乱れ、断水が発生した。同市の清水ヶ丘高校も豪雨の影響で1週間の休校が決 定。一方、断水にならなかったため、休校期間中に生徒と教員が同校を拠点とした給水ボランティアに取り組んだ。

学校での給水を呼び掛ける生徒たち

 

約600人に水を供給

給水ボランティアは、7月11日から3日間、午前9時から午後4時まで行った。敷地内にある学生寮に暮らす生徒や教員ら約50人で給水活動に励んだ。水くみ係、運搬係といった役割分担を決めて作業に取り掛かった。生徒が即席で給水の案内看板を制作し、地域の家々を訪ね、学校での給水を住民たちに伝えた。

柴田美波さん(3年)は、給水に訪れた高齢者のために水の運搬を手伝った。「おばあちゃんの自宅まで往復40分かけて水を運びました。運搬中に、おばあちゃんの身の上話や昔の呉市の様子などを話していただきました。『ありがとう』の一言が活動の励みになりました」

普段から仲の良い寮生のチームワークが実り、3日間で約600人に水を届けた。後日、地域の住民や小学生から「とても暑い中でも笑顔で接してくださりうれしかった」などと記された感謝の手紙が学校に届いた。中林優花さん(2年)は「(給水活動中は)大変だとは思いませんでした。地域の方のお手伝いができて本当にうれしい」と、達成感を口にしていた。(中田宗孝)