名古屋市立工芸高校(愛知)のWEB部は、ものづくりの全国大会「技能五輪」(中央職業能力開発協会など主催)に度々出場を果たし、好成績を収めている。(中田宗孝)

WEB部の横倉さん(右)と榎谷さんは、今年も大会出場に向けて技術の向上を目指す(写真は学校提供)

 

 

技能五輪で敢闘賞

「自分の頭でイメージしたものがウェブ上で自由に表現できる。(自分が作成したウェブサイトに)動きをつけたり、色鮮やかにしたりと、できることも幅広いのが魅力」。横倉杏奈さん(3年)は、ウェブサイト制作の楽しさをこう語る。

1年生からWEB部に所属し、ウェブデザインの腕を磨いてきた。昨年11月には、大学生や社会人も参加する第55回技能五輪の「ウェブデザイン職種」に先輩らと共に出場。2日間かけて課題の「オンライン学習サイトの構築」に挑んだ。

「どんなサイトなのか、ひと目見て分かりやすく、を心掛けました。ユーザーが知りたい情報をすぐに検索できるように機能面も工夫しました」と横倉さん。作成したサイトのプレゼンテーションも行った。学習サイトの特徴を的確に捉えた横倉さんの作品は、金銀銅のメダルに次ぐ敢闘賞を受賞した。

IT業界の先輩から学ぶ

WEB部では、各部員が1カ月かけて1サイトを作成。作ったサイトの良さなどをプレゼンテーションし、部員同士で意見交換をする。この繰り返しで技術力を高める。週末や合宿時には、部の卒業生が来校して講習会を実施。榎谷帆乃香さん(3年)は「IT業界で活躍する先輩方に分からないことを聞けます。最先端の技術が学べるのも大きい」と話す。

学校近隣の児童館や幼稚園から依頼を受けてサイト作りにも取り組む。パソコンとスマホの両方で閲覧可能な見やすいホームページを納品し、依頼者から喜びの声をもらうという。

(高校生新聞2018年6月増刊「工業高校特集」から)