高校文化部の代表が全国から集う第42回全国高校総合文化祭(2018信州総文祭)が8月7~11日、長野県で開催された。まつもと市民芸術館(松本市)で行われた総合開会式では、高校生844人が、歌や演奏、ダンス、演劇などで来場者1248人を魅了した。(文・写真 野村麻里子)

キーワードは宝物 特色織り交ぜ宣言

総合開会式の冒頭、都道府県や部門の代表生徒がステージに上がり、「宝物」をキーワードに地域の特色を宣言した。企画や運営を担う生徒実行委員会の委員長・桐山尚子さん(伊奈北高校3年)は「2年前から活動を始めてきました。『ここで出会おう 未来を作ろう 僕らの情熱で』。この言葉には、私たち高校生だからことできることをしたい。ふるさとの長野県で総文祭ができることを感謝したい。実行委員全員で一つずつ積み上げて今日を迎えました」とあいさつした。

実行委員長の桐山さん

一続きのストーリーで生徒発表 合唱、演奏など盛りだくさん

続いて、生徒発表では、演劇を交えながら、和太鼓演奏やマーチング、合唱、オーケストラなど多彩な演目を、長野県内の高校生やアメリカ、中国など海外招聘校の生徒が披露した。演劇の主人公は、病気で吹奏楽部を辞めることになり落ち込む女子高校生。主人公に思いを寄せる男子高校生が、全国高総文祭の実行委員会活動に誘い、舞台監督として準備を進める中で仲間と心を通わせていくストーリーだ。

演劇の主人公(中央)。舞台監督として総文祭の準備をする中で成長していく

例年、海外招聘校の演奏や次年度開催県との交流ステージ、県内生徒の演奏などは分かれて発表しているが、今年は「よりたくさんの部門を紹介したい」という思いのもと、すべて一続きで開催した。終盤にはベートーベンの交響曲第9番「歓喜の歌」をオーケストラや合唱で披露。最後は大会イメージソング「ここに」を軽音楽の演奏で、登壇した高校生全員で合唱した。「ここにいるみんなが、仲間が私の宝物」。実行委員長の桐山さんが高らかに宣言した。

大会テーマ曲を合唱