高校生に知ってほしい、正しい勉強方法の基本について、家庭教師や塾経営を経て参考書などを多数執筆している船登惟希さんに教えてもらった。(安永美穂)

Q. 定期テストの点が上がる授業の受け方は?

 

A. 習ったことはその場で理解するつもりで。

考えながらノートをとって

授業は「その場で理解する」つもりで受けることが重要です。そのために大切なのは、「新しく習った事柄同士の関係性はどうなっているか」「既に習ったこととどう結びついているか」を考えながら先生の話を聞き、ノートを取るようにすること。つまり、情報の「体制化(情報の順番や上下関係を理解する)」と「精緻化(自分の知っている知識と関連付けたり、自分の言葉で言い換えたりする)」を意識すると、授業を有効活用できるようになります。

板書せず口頭で説明したところが重要

英語や古文の場合、先生が言った訳を書き写すだけでは、教科書とは違う文章が出題される入試では応用がききません。「この部分に着目して、こう考えるからこの訳になる」という、その文章を理解するための考え方のポイントを聞き逃さないようにしましょう。歴史のように暗記することが多い科目では、先生が言った語呂合わせなどの覚え方のコツをメモしておくと知識が定着しやすくなります。

数学では「なぜこの式から次の式になるのか」といった式の展開の考え方は、教科書や参考書に書かれていません。先生もわざわざ黒板に書くことはせず、口頭で説明することが多いので、ノートの式と式の間に吹き出しを入れて「こういう理由でこの式になる」と書き加えていく必要があります。先生が板書せずに言葉で補った箇所こそが重要なので、それをしっかり書き留めて後で見直せるようにしておきましょう。

船登惟希(ふなと・よしあき)  東京大学理学部化学科卒業。学習参考書などを多数執筆。著書に「高校一冊目の参考書」(KADOKAWA)、「高校の勉強のトリセツ」(学研プラス)など。