インターハイのバレーボール女子で、活躍が期待される注目チーム・選手を紹介する。(田中夕子)

金蘭会の春高Vメンバー 最上級生になり3冠狙う

舞台は春から夏へ。今年の春高バレーで優勝した金蘭会(大阪)、準優勝の東九州龍谷(大分)、3位の下北沢成徳(東京)、誠英(山口)が優勝争いの中心になりそうだ。

中でも注目は金蘭会。昨年はインターハイ、国体、春高バレーの3冠制覇が期待されたが、インターハイの決勝トーナメント初戦でまさかの敗退。昨年の悔しさを晴らし、今年こそ完全制覇へ――。並々ならぬ決意を持って戦う大会でもある。

優勝した春高バレーで主軸として活躍した選手たちが最上級生となり、優勝候補筆頭であるのは間違いない。エースの西川有喜(3年)、ユース代表としても活躍したセッターの中川つかさ(3年)、リベロの水杉玲奈(3年)、ウイングスパイカーの曽我啓菜(3年)、中沢恵(3年)、宮部愛芽世(2年)といった面々に、西川の妹で中学時代に全国制覇を果たした西川吉野(1年)が加わった。物おじせず、高い打点からのスパイクを武器にする妹と、春高バレーでも見せた抜群の勝負強さを誇る姉。西川姉妹の活躍も、注目ポイントの一つになりそうだ。

春高バレーで抜群の存在感を見せた宮部の成長も楽しみだ。西川姉妹と同様に、姉の藍梨(2017年卒)と同じ金蘭会へ進み、初めての春高バレーでは池条義則監督が「準決勝と決勝のプレーは際立っていた。お姉ちゃんは先輩に勝たせてもらったけれど、妹は自分が引っ張って勝利に導いた」と称賛する活躍を見せた。躍動感のあるプレーでどこまで飛躍を遂げるのか。将来の日本を背負うエース候補の成長にも注目だ。

「打倒金蘭会」を掲げる1番手が、春高バレー準決勝で敗れた下北沢成徳のエース、石川真佑(3年)。1年時からレギュラーとして活躍し、抜群のテクニックと、相手ブロックが3枚ついてもひるまず打ち抜く強靭(きょうじん)なメンタルを誇る。男子日本代表のエースとして活躍する兄・祐希をほうふつとさせる勝負強さで、悲願の日本一へチームを導けるか、期待したい。

金蘭会のエース、西川有喜 (写真は1月の春高バレー、中村博之撮影)