長崎・純心女子高校 図書委員会にオススメの一冊を選んでもらいました。(価格は税込み)
君が電話をかけていた場所
三秋縋著(メディアワークス文庫、616円)
◆予測不能の感動ラスト
誰もいない公衆電話が鳴り出し、主人公の僕が電話に出ると、知らない女から賭けを提案された。女が僕の顔にあるあざを消す代わりに、僕は諦めきれない恋をかなえるという内容だった。中学までの薄暗い生活から一転し、高校生活を楽しんでいた僕の前に、恋の相手が現れたのだが……。下巻で明らかになる「君が電話をかけていた場所」。その秘密に、身悶もだえしてほしい。 (中宅間優実さん・2年)
あしたはれたら死のう
太田紫織著(文春文庫、734円)
◆なぜ、死を選ぼうとした?
「あしたはれたら死のう」と書き残し飛び降りた少年・志信と少女・遠子。少年は死に、少女は記憶と感情の一部を失った。「わたしたち」は、なぜ死を選んだのか。SNSに残された日記を手掛かりに謎に迫る。遠子が周囲からの嫌がらせを受けながらも失った記憶、なぜ自分が死を選んだのかを探す姿がとても印象に残った。「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」シリーズの作者・太田紫織さんの新作。(松田莉歩さん・2年)
少女は卒業しない
朝井リョウ著(集英社文庫、583円)
◆「おわりとはじまり」
これは、7人の少女の7つのさよならの物語。大好きだったものに、大好きだった人に、大好きだった場所に、自分の思いに「さよなら」する。隣の高校との合併により、翌日には校舎が取り壊されることが決まっている地方の高校の最後の1日を描く。直木賞を受賞した朝井リョウが贈る、青春の明るさも、暗さも、良いところも、悪いところも、全てを詰め込んだ7つの連作短編集だ。(寶子山海さん・2年)
君の膵臓をたべたい
住野よる著(双葉文庫、720円)
◆2人の絆にラストは涙
クラスの中心で誰からも愛される山内桜良と、彼女とは正反対の性格で本が好きな「僕」との青春小説。2人は偶然にも出会い、絆が深まる一方で、あることがきっかけですれ違う。しかし、2人の絆は本当に深いものだった。2人のようにお互いに憧れ、絆が生まれることに感動する。最後まで読むと、タイトルの意味が分かり涙してしまう。漫画化、実写映画化もされた話題作。 (酒井千優さん・2年)
化物語
西尾維新著(講談社BOX、上巻1728円、下巻1620円)
◆「怪異」と向き合い、成長
阿良々木暦とその周囲の少女たちに降りかかる「怪異」にどう向き合っていくか。阿良々木暦たちが大人へと、社会人へと成長していく「物語シリーズ」の最初の、出会いの物語。アニメ化などもされており、普段本を読まない方でも手に取りやすい。登場人物たちの鮮やかな物語が非日常なものへと変わる時、あなたの世界はカラフルに色付けられていくだろう。 (P.N 神琴坂祝麗)
スウィングガールズ
矢口史靖著(メディアファクトリー、596円)
◆ジャズとの出合いで輝く
がさつで不真面目な高校1年生の鈴木友子。夏の休暇中のある日、友子たち自分勝手なダメ女子高生たちは、病院送りにしてしまった吹奏楽部の代わりにジャズを始めることに。そんな彼女たちはゼロから素晴らしい演奏を作り上げた。この作品を知ったのは映画版を見たことがきっかけ。当時中学生だった私にはこの輝く女子高生たちの姿は憧れであり、今でも私の心を揺さぶりつづけてくれる。(P.N 汐音威些)