千葉・市川高校図書委員会が紹介する一冊「思わず笑える」にやりとできる本を選んでもらいました。
キケン 有川浩著(新潮文庫、562円)
工学系男子の全力青春
とある工科大学に機械制御研究部、略称「キケン」=「危険」とされるサークルがあった。火薬遊び、屋台やロボット作りなどを実にぶっ飛んだ方法で実践。女子の前ではかしこまる男子大学生のノリが面白い。リアルな「男子」の世界に、元気をもらえる。(高山さらんさん・1年)
鴨川ホルモー 万城目学著(角川文庫、605円)
新感覚の青春小説
青春小説に、友人らとスポーツに打ち込むものがある。この本もその一種だが、競技名かつタイトルの「ホルモー」が最初は何なのか分からない。恋愛要素と笑える要素にあふれたこの本を読めば「ホルモーがしたい!」となること間違いなし。(中澤まどかさん・2年)
学生時代にやらなくてもいい20のこと 朝井リョウ著(文藝春秋、1080円)
爆笑! 大学生活エッセー
現代の若者の巧みな心理描写で共感を得る著者が、自らの大学生活についてエッセーを執筆。コスプレ100㌔ハイクで死にかけたり、台風にもかかわらず無計画に離島へ出航したり……。抜群の文章力でちりばめられたボケに抱腹絶倒。ケラケラ笑えて学生生活っていいなと思える。(岩田想子さん・1年)
体育館の殺人 青崎有吾著(創元推理文庫、842円)
ダメ人間が真実を暴く
密室の体育館で少年が死んでいた。刑事は犯行が唯一可能だと思われる女子卓球部の部長が犯人だと断定。部員の一人の柚乃は、部長の無実を証明するために天才という「ダメ人間」に助けを求める。痛快な推理で真実を暴くところに、にやりとできる本格推理小説だ。(飯塚直大君・2年)
新釈走れメロス他四篇 森見登美彦著(角川文庫、594円)
近代文学の傑作パロディー
太宰治の名作「走れメロス」の舞台を大学へ変え、アレンジした本作は笑いあり涙ありの傑作パロディーだ。太宰著の「走れメロス」も併せて読むことで、さらに楽しむことができる。ほかにも「山月記」「藪の中」などの近代文学のパロディーが書かれていて、どれも面白い。(南部孝尚君・1年)