厚生労働省は4月12日、医師不足が2028年頃にも解消するという推計をまとめた。大学の医学部の定員削減をめぐる議論に影響しそうだ。

厚生労働省が2018年4月12日の検討会に示した医師の需給推計

現在は医師が不足しており、全国の医学部の定員は、2008年から2017年にかけて約1700人増員され、18年度は9419人だった。

厚生労働省が「医療従事者の需給に関する検討会」に示した推計によると、現在の医学部定員を前提にすると働いている医師数は16年の約31万5千人から28年には約34万9千人まで増える。医師の労働時間を週60時間程度に制限したとすると、この頃、医師の人数と需要が均衡し、医師不足が解消する。その後は、人口減少により医師は徐々に余っていくという。ただし、医師の労働時間が週55時間程度に制限された場合、需給が均衡する時期は33年頃になる。

厚労省は、21年度入試までは医学部の定員を現状とほぼ同じにする考えというが、その後については定員削減の方向で議論が進みそうだ。