値引き競争激化か

楽天は自前の回線網を持つ携帯電話会社を設立すると発表、総務省に電波の割り当てを申請する。認可を受ければNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクに次ぐ「第4の携帯会社」が誕生する。2019年にサービスを始め、1500万人以上の利用者獲得を目指す。
 携帯市場はドコモ、au、ソフトバンクの3社がシェアの約9割を占める。楽天は、この3社より安い料金で参入するとみられ、3社の寡占が崩れれば料金の引き下げ競争が激化する可能性がある。

現在はドコモ回線使用

楽天は現在、ドコモから回線を借りて格安スマートフォン事業「楽天モバイル」を展開している。新たに自前の回線網を所有して携帯電話会社を設立する背景には、主力とする電子商取引(EC)分野で競合する米アマゾン・コムに対抗する戦略がある。楽天の携帯
電話と電子商取引を両方使うと割安感が出るような優遇策を設け、グループ内に顧客を囲い込みたい狙いだ。
 総務省が順次開放を予定している警察や自治体など公共用の周波数帯を割り当ててもらうことを想定しており、2 5年までに最大6000億円を投入し、基地局の整備などに充てる。ただ楽天が巨額の投資負担を乗り越えて大手の一画に食い込むことができるかは不透明な部分も多い。