決勝で18得点を挙げた古賀健太

 春高バレーの男子決勝は、東福岡(福岡)が鎮西(熊本)を3-0で制し、2年連続2度目の優勝を達成した。

「春高で勝つ」守備強化

主将の金子聖輝(3年)や古賀健太(3年)を中心に、アタッカーが決定打を決め続けた。ライトから古賀のスパイクが決まった瞬間、連覇を達成した東福岡の選手たちは喜びを爆発させた。エースの金子も「『今年のチームは(勝ち進むのが)厳しい』とずっと思っていた。だからこそ絶対に勝ちたかった」と目を潤ませた。

 高さや攻撃力など「個」の力が高かった昨季と比べて、今季のチームは藤元聡一監督が「春高を10回やったら1回勝てるかどうか」というのが現状。連覇を狙ったインターハイでベスト8に終わり、春高で頂点に立つべく、強化に努めたのが守備。単純にボールを拾うのではなく、どんなボールでも確実に「つなぐ」。レシーブから攻撃までの展開を意識した守備力を高めてきた。

どんなボールも落とさない

リベロの正近幸樹(3年)を中心に、3カ所の台上から打たれるボールを3人で拾う練習に取り組んだ。正近が「誰かの体に当たったボールは、必ず別の人がつなぐ意識が高まった」という練習の成果は、春高でいかんなく発揮された。攻撃力の高い相手に対しても決してボールを落とさない、日本一の「つなぎ」でチームに勝利を引き寄せた。

 インターハイの敗北からはい上がり、苦しみながら達成した連覇という快挙。金子は「いろんなことを乗り越えてここまでやってきて、本当に良かった」と笑みを浮かべた。

(文・田中夕子、写真・幡原裕治)

TEAM DATA1955年創部、部員数22人(3年生6人、2年生7人、1年生9人)。昨年度、インターハイ、国体、春高の3冠を達成。春高出場7回など全国大会出場多数。鶴田大樹(サントリー)、久保山尚(ジェイテクト)らVリーグにも多くの選手を輩出している。