「世界経済フォーラム」(ダボス会議)が発表した2017年版「男女格差報告」によると、日本は調査対象となった144カ国中114位で、前年より順位を3つ下げ、先進7カ国(G7)で最下位だった。女性の政治進出が遅れているのが最大の原因とされる。

上位は北欧諸国

首位は9年連続でアイスランド、2位ノルウェー、3位フィンランドと北欧諸国が上位に並んだ。4位にはアフリカのルワンダが入り、米国は49位だった。アジアのトップはフィリピンの10位、中国100位、韓国118位。

経済界でも女性少なく

報告書では、日本は政治、経済分野で男女格差が大きく、特に政治分野は女性の議員や閣僚が少ないことなどから123位と前年より順位を20下げた。また、経済分野は114位と前年より順位を4つ上げたものの、依然、幹部社員の少なさなどの点が指摘された。

世界的に格差拡大

男女格差報告は女性の地位を経済、教育、政治、健康の4分野で分析、数値化している。同フォーラムは「06年に報告書の発表を開始してから、初めて世界的に男女格差が広がった。政治、経済面で逆戻りし、このままでは格差解消に100年かかる」と警告した。

同フォーラムは、技能の習得など人材の育成力を国ごとに指標化した「世界人的資源報告書」も発表しており、日本は130カ国中17位だった。教育水準が高いと評価する一方、女性の社会進出や高齢者の活用などに課題があると判断された。首位はノルウェー、2位フィンランド、3位スイス、米国4位、ドイツ6位、中国は34位だった。