最終回に紹介するのは、脚、お尻、背中、腰のストレッチです。

太ももの裏にあるハムストリングと呼ばれる筋肉は、走行時によく使う筋肉です。普段あまり運動をしていない人がいきなり走ると、次の日に筋肉痛が起こりやすい部位でもあるので、運動前後に十分に伸ばすようにしましょう。背中や腰は、筋肉の張りを防ぐことで腰痛予防になります。

ストレッチはリラックスした状態から大きく息を吸い、ゆっくり吐きながら伸ばします。痛みを感じないところまで伸ばし、10~20秒間、呼吸をしながら止めるのが基本です。

勉強の合間や家でテレビを見ているちょっとした時間に行い、ぜひ習慣づけてください。(構成・小野哲史)

 

一方の脚を伸ばし、もう一方の脚を曲げて座り、ゆっくりと上体を後ろに倒す。曲げた脚の爪先は外側に向けず、真後ろに向ける

 

一方の脚を伸ばし、もう一方の脚を内側に曲げて座り、伸ばした脚に向かって上体を前に倒す。伸ばした脚の膝はできるだけ曲げない。上の「太もも前」とセットで行いたいストレッチだ

 

両足の裏をつけて座り、その足を両手で持って上半身を前に倒す。背すじを伸ばして腰から前傾させると、太ももの内側がよく伸びる。背中を丸めないように行おう

 

壁に手をついて足を前後に開き、後ろ足のふくらはぎを伸ばす。後ろ足の膝はしっかり伸ばしておくのがポイント。曲げて行うとアキレス腱(けん)のストレッチになる。上体を反ったり腰をねじったりしないこと

お尻

 

あおむけで寝た状態から、片膝を抱え、お尻の張りを感じるところまで引き上げてキープする。腰と背中は床から浮かせず、伸ばした脚の爪先から頭までが一直線になるように

背中

 

あおむけになって両膝を抱え、膝に頭を近づけるようにして背中を丸める。背すじをしゃんと立ててくれる脊柱起立筋がよく伸びる

 

いすに座り、両手を内側から絡ませるようにして足首をつかむ。背中を丸めながら首を前に倒すと、腰がよく伸びる

 

背中を伸ばしたまま上体を前に倒すと、腰ではなくお尻や太ももの内側が伸びる

東海大学スポーツ医科学研究所教授 有賀誠司先生

【あるが・せいじ】
 
1962年東京都生まれ。東海大学スポーツ医科学研究所教授。筋力トレーニングを研究し、多くのアスリートの指導にも携わる。「ストレッチ大全」(成美堂出版)、「筋トレマニア 筋トレ用語事典」(ベースボール・マガジン社)など著書多数。