国立天文台の天文情報センターで広報活動をしている職員の2人に、自身の高校時代についてや、進路選択のアドバイスを聞いた。

天文情報センターの石川さん
天文情報センターの高畠さん

――高校時代の文理はどちらですか。

石川「2人とも文系です」

――文理選択はどのように選んだのでしょうか。

高畠「文系科目は国語が、理系科目では理科が好きでした。数学は好きではなかったんです。好きではないとなると、伸び悩むのが目に見えていたので、文系選択にしました」

――天文学に興味をもったきっかけを教えてください。

石川「天文学に興味をもったのは小学生のときです。小学校1年生のときに、両親が望遠鏡を買ってくれたのがきっかけです。それからというもの、天文の図鑑もよく眺めていました」

――大学ではどのようなことを学んでいたのでしょうか。

石川「教育学部で地学を専攻していました。卒業研究は小惑星についての研究でした」

高畠「私も教育学部で地学専攻でした。卒業研究はハレー彗星についてでした」

――高校で文系だったのに大学で地学を学ぶということに苦労はしませんでしたか。

石川「苦労しました。だけど、今思えば文系の学びも理系の学びもつながっているなと感じますね。具体的には、古典作品に書かれている星についての理解であったり、天文学の歴史、月や惑星の地形の理解につながっていると思います。また一般向けの書物を書くときの言葉の選び方は、今の広報普及の仕事に役立っていると感じます。」

――教育学部出身とのことですが、教員は目指していなかったのですか。

高畠「入学当初から目指していませんでしたね。文系選択をしたことを高校時代後悔していて、地学を学びたいとなると教育学部、という選択肢になって大学に入学したんですよ」

――文理選択や進路選択に迷っている高校生にアドバイスをお願いします。

石川「結局のところ、進学先や就職先など行った先でなんとかなります! 高校の文理選択で将来がすべて決まるわけではありません。それよりも大切なのは目標を定めること。目標が決まれば、そこに至るまでの過程や方向性がわかってくると思います」

高畠「高校数学は嫌いでしたが、大学の数学は研究のために学ぶ数学なので、高校数学よりも学ぶ目的が見つけやすかったです。数学が嫌いだから、という理由だけで理系を諦めずに、自分のやりたいことができるところに飛び込んでみてください」