東海大学スポーツ医科学研究所教授 有賀誠司先生
猫背を改善&コリ解消
勉強やスマホのやりすぎで体が凝り固まっていませんか? 「体を動かすのは苦手だけれど、何かしたい」と思っている高校生に今月から気軽にできるストレッチを紹介します。
ストレッチは、リラックスした状態から大きく息を吸い、ゆっくり吐きながら、筋肉に痛みを感じないところまで伸ばすのが基本です。伸ばし切ったら10〜20秒間、呼吸をしながら止めます。一気に強く伸ばすとけがをする危険があるので注意しましょう。
第1回は胸、肩、首のストレッチです。猫背など姿勢の改善や肩、首の凝りの解消を目的としています。長時間、机に向かうときは1時間に1回程度、行うことをお勧めします。
(構成・小野哲史)
胸と肩
壁に手をつき、肘を伸ばして胸を前に出す。先に肩を引いてから腕を後方に引くのがポイント。壁側の肩が上がってしまわないように注意しよう。
腕を曲げて、肘から先を真っすぐに立てる。体を壁と反対側に少しひねるイメージだ。
背中側で手を組み、胸を斜め上に突き上げながら、腕を斜め下に引き下げていく。胸を中心に肩の前部分が伸びる。
胸を張らずに腕だけを上げると、肩だけが伸ばされ、胸のストレッチにはならない。
肩
肘を伸ばして腕を肩の高さまで真横に上げ、反対の手でその肘を持って手前に引き寄せる。肩を前に引き出すと背中の筋肉も伸びる。
伸ばした肘を抱え込むようにして体に引き寄せると、より効果が高まる。肩の三角筋が伸びて気持ち良い。
首
背すじを伸ばした姿勢から、両手で頭を抱えて、ゆっくりと前に倒す。手を重りにする感覚で、首の後ろを伸ばしてキープする。背中が丸まってしまわないように気をつけよう。
頭に片手を横から乗せ、頭頂部で弧を描くようにゆっくり倒していく。反対側の肩が上がったり、上半身が横に倒れたりしないように注意する。
- 【あるが・せいじ】
- 1962年東京都生まれ。東海大学スポーツ医科学研究所教授。筋力トレーニングを研究し、多くのアスリートの指導にも携わる。「ストレッチ大全」(成美堂出版)、「筋トレマニア 筋トレ用語事典」(ベースボール・マガジン社)など著書多数。