今夏、「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」を活用して、オーストラリア・シドニー中心部の語学学校に3週間通いました。以前、米国人留学生をホストファミリーとして受け入れたことや、地元の歴史や食文化、農業といった故郷の財産を守り、育て、そして生かすために何をすべきかを考え始めたことが、留学の挑戦につながりました。
タクシーですてきな出会い
語学学校では「英語という言語を英語で勉強する」という楽しさ、タイやトルコなど多様な国籍の仲間と共に学ぶ楽しさを感じることができました。クラスで先生も含めティーパーティーをすることもありました。
ホームステイをしていた家がシドニー中心部から離れていたため、通学は毎日、電車とバスを使っていました。ある日、バスの最終便を逃してしまい、日本でも1人で乗ったことがないタクシーで帰ることに。車内ではドライバーと1対1。不当な料金を請求されたりしないかなど不安でした。
行き先を伝えるのに四苦八苦し、焦りましたが、ドライバーは優しく、笑顔でした。さらに「語学の上達の近道はできるだけ多くの人と会話すること」「困ったらホストファミリーに気軽に相談した方がいい」などアドバイスをもらいました。不安でいっぱいだった時に優しい言葉を掛けてもらい、国境・言語を超えた人の温かさを感じました。
鶴岡市の食文化をPR
故郷・鶴岡市がユネスコから、文化的な特色のある都市と認定されていることに着目し、シドニーで鶴岡の食をPRしました。親戚が経営する現地の居酒屋を利用して、出羽三山の伝統的な宗教「修験道」や信仰する人々によって育まれた精進料理などを現地の方にプレゼンテーションしました。また、ごま豆腐の試食提供を行いました。英語で分かりやすく伝えるのが難しく、試行錯誤を繰り返しました。
先輩の言葉、励みに
ホストマザーの英語は、ラテンなまりで聞き取ることが難しく、待ち合わせ場所を間違って聞き取ってしまうなど、意思疎通がうまくいかないことも。しかしどんな経験も、これからの人生に必ず生きてくると実感しました。
留学前にトビタテ!の先輩から「たくさん失敗をしてきて」と激励の言葉をもらいました。この言葉が、シドニーでの一つ一つの小さな挑戦につながりました。僕たちの辞書には〝失敗〟という言葉はありません。失敗は捉え方次第でいくらでも人生の糧にすることができる。そう学ぶことができました。