「北朝鮮からミサイルが発射された模様です」――。9月15日朝、テレビ各局は予定されていた番組を変更して「Jアラート」の画面に切り替え、視聴者に建物の中や地下への避難を呼び掛けた。あまり聞き慣れない言葉だが、Jアラートってどんなものなのだろう。

国から警報を全自治体に

Jアラート(全国瞬時警報システム)は、国が人工衛星を使って緊急情報を自治体に配信、防災行政無線や携帯電話メール、ケーブルテレビを自動的に起動させて住民に伝える仕組みだ。ミサイル発射のほか、ゲリラ・特殊部隊による攻撃、大規模テロ情報、緊急地震速報、津波警報、噴火速報などが対象で、全市区町村に受信機が設置されている。

ミサイル発射情報、4回目

2007年に運用が始まって以降、ミサイルの発射では12年12月、16年2月、今年8月に続いて今回が4回目となる。今回はミサイル発射から約3分後に、北海道と東北など計12道県に第1報が送られた。これを受けて列車の一時運転見合わせや、学校の臨時休校など住民生活全般に影響が出た。

一部地域で不具合も

消防庁は12道県の全市町村が発射情報を正常に受信したと確認したが、一部地域では機器の設定ミスや故障で防災行政無線から音声が出なかったり、登録制のメールが配信できなかったりする不具合があった。

 

【相次ぐ核実験、ミサイル発射】北朝鮮は8月末に続いて半月の間に2回、日本列島の上空を通過する弾道ミサイルを発射した。また、9月3日には6回目となる核実験を実施、広島に投下された原爆の約10倍の威力とされ、大陸間弾道ミサイル(ICBM)に搭載できるまで小型化した水爆を試したとの見方が強まっている。