全国の高校生が自作した鉄道ジオラマのできばえを競う「第9回全国高校鉄道模型コンテスト2017」(8月5・6日、東京ビッグサイト)が開催された。奈良・奈良工業高等専門学校機械研究会は「モジュールレイアウト部門」(141校が参加)で優秀賞を得た。(文・写真 中田宗孝)

部長の樽井君(写真)は、3階建てのレトロな旅館の制作を主に担当した

 

温泉好きの部長を中心に制作  

作品「銀山・ゆけむり物語」で山形県の銀山温泉街を再現した。同校として2011年の第3回大会以来となるモジュールレイアウト部門の優秀賞に選ばれた。

温泉好きの部長・樽井颯君(3年)が中心となり、部員20人で約5カ月かけて制作。作品は、老舗旅館の立ち並ぶ温泉街を鉄道が走り抜けていくノスタルジックな情景が多くの来場者の心をつかみ、「来場者が選ぶナンバーワン賞」も獲得した。

ジオラマ内の4カ所の露天風呂には発煙装置を設置。白煙の湯けむりが立ちのぼる演出は、来場者にも好評を得た

細部も妥協せず作りこみ

既製品のジオラマキットは使わず、建物や橋にいたるまでプラスチックの板からの手作りにこだわった。「旅館は屋根を取り外せるんです。1階から3階まで、どの客室も畳や障子など細部にまで再現しています」(樽井君)。目を凝らさないと確認できない部分も妥協しないで作り込む姿勢が好結果につながった。目標にしていた最優秀賞には届かなかった。だが樽井君は、「一緒に頑張った部員や顧問の先生が笑顔でねぎらってくれてうれしかった。もう悔いはないです」と、感無量の表情をのぞかせた。

同部は別作品で「HOゲージ車輌部門」の最優秀賞を獲得するなど、好成績を収めている。