全国高校総体(インターハイ)陸上の男子八種競技が7月29、30日に岡山市のシティライトスタジアムで行われ、丸山優真(大阪・信太3年)が高校歴代2位となる6085点の大会新記録で優勝。2位の甲羽ウィルソン貴士(宮城・柴田3年)も高校歴代4位で大会新記録の6024点をマークした。(文・中尾義理、写真・幡原裕治)
史上初、丸山・甲羽2人が6000点超え
走・跳・投8種目の記録を得点化し、総合得点で競う八種競技。過去に6000点を超えた高校生は2人だけ。丸山と甲羽は高校陸上史上初の6000点勝負をやってのけた。
丸山は100メートル11秒02、走幅跳び7メートル08など前半から快調に得点を加算。第7種目の走高跳びでは左足かかとが痛んだが、シューズのかかと部分にプレゼントされたお守りを入れて乗り切った。
高校記録6093点の更新が狙える得点で迎えた、最終種目の1500メートル。丸山にとっては苦手な種目だが、アドレナリンの方がまさった。7種目を終えて丸山との101点差を追う2位の甲羽が大逆転を狙って先着したが、丸山も4分39秒46の自己ベスト。逆転を許さなかった。
高校記録にわずか8点差
丸山は身長193センチ、体重83キロの堂々たる体格。「いつかは同じ大会に出たい」と夢見る、十種競技日本記録保持者でリオデジャネイロ五輪代表の右代啓祐(スズキ浜松AC)に続く資格は十二分に備えている。
インターハイは「記録よりも優勝を目標にしてきた」と言うが、高校記録とはわずか8点差。記録で換算すると、100メートルで0秒03、走幅跳で3センチだ。「根性が足りませんでした」と丸山。8月27、28両日に地元大阪で開催される全国高校選抜陸上で高校記録更新に再挑戦する。
午後8時半すぎ、全員が1500メートルを走り終え、暑さと疲労から解放された八種競技の選手たち。健闘をたたえ合う大きな輪の中心で、丸山と甲羽が「楽しかったなぁ」と肩を組んで笑っていた。