インターハイ陸上男子400m障害で2連覇を果たした白尾悠祐

全国高校総体(インターハイ)陸上の男子400メートル障害決勝が7月31日にNDソフトスタジアム山形(山形県天童市)で行われ、白尾悠祐(群馬・東農大二3年)が51秒44で優勝し、2連覇を果たした。(文・小野哲史、写真・幡原裕治)

3週間前にけが、「予選からガチガチ」に

インターハイの約3週間前に股関節付近を痛め、当初は「本番は予選落ちかもしれない」と覚悟したという。1週間前に走れるようになったが、まだ万全とは言えなかった。大会初日の29日に出場した400メートルは予選敗退。400メートルは、準決勝進出を狙わず、「400メートル障害のための刺激に切り替えていた」ものの、自己ベストより2秒以上も遅いタイムに、白尾は「まだ気持ちよく走れなかった。不安が大きくなってしまいました」と明かす。

前回優勝者としての重圧も抱えていた。群馬県大会で50秒42、北関東大会では高校歴代9位となる50秒36をマークしており、連覇というだけでなく、周囲からはタイムの期待も大きかったからだ。

「前回と違ってプレッシャーもあり、予選からガチガチでした」

応援の部員の顔見て「これなら頑張れる」

午前の準決勝も満足のいく内容ではなかった。しかし、それから約4時間半後に行われた決勝のスタートラインに立つと、ネガティブな要素はほとんど感じなくなっていた。

「わざわざ応援に来てくれた陸上部のみんなに会って、『これなら頑張れる』と思いました」

号砲とともに勢いよく飛び出した。「後半に抜かれることは絶対にない。最近はスピードが出てきたので、前半で周りを突き放そうと考えていました」と白尾。トップに立った200メートルあたりで「これは勝ったなと確信しました。気持ちよく走ることができました」と、ゴール後には笑顔を見せた。

5位に入った有阪朋貴(群馬・新島学園3年)や今大会は故障で欠場となった井上大地(東京・東京3年)ら、ライバルの存在が自身のレベルを引き上げてくれたと白尾は感じている。

「有阪がいなければ県大会で50秒42は出せなかっただろうし、井上がいたおかげで日本選手権のような大きな舞台で走ることができた。そういう意味で有阪や井上には感謝しています」

この1年で心も競技力もひと回り大きくなった白尾は、「2020年のオリンピックに出て、そこで良い結果を残したい」と力強く語った。

インターハイ陸上男子400m障害で2連覇を果たした白尾悠祐