近畿地区大会を8位で通過し、26年ぶり2度目の出場を果たした和歌山商。初戦の相手は九州地区を8位で通過した、初出場の致遠館(佐賀)だ。

第1シングルスでは、楠部佑真(2年)=和歌山・明和中出身=が気迫のストロークで6-1と圧勝。続く第1ダブルスの和田秀馬(3年)=同・東和中出身、江川浩太郎(3年)=同・西脇中出身=組は、実力伯仲の大接戦を演じた。5-6と敗戦目前に追い込まれながら、懸命に球を拾い挽回。6-6のタイブレークに持ち込むと、最後は果敢に前に出た江川が目の覚めるようなボレーを決め、息詰まる攻防を制した。永井清二監督(52)は「第1ダブルスで流れをつかんだ」と振り返る。

残りの3試合は、全員が伸び伸びプレーで圧勝。シングルス3勝、ダブルス2勝の5試合全勝で、1987年に初出場した時の初戦敗退を乗り越えた。

和田と江川は「落ち込みそうな時に力の限り声を出した。声の勝利だ」と、絶体絶命のピンチを脱した喜びに声をそろえた。

「古豪から強豪へ! 大きな進化を福岡で」

チームは出場決定を受けて新たなキャッチフレーズを掲げた。平日は3~4時間の練習で基本を積み重ね、休日は一日中練習を行い、体力とゲーム感覚を養った。さらに中国地方の強豪校で、昨年ベスト16の関西(岡山)などとの練習試合を重ねた。

関西にボロボロに負け、それから選手は気持ちを引き締めて練習に打ち込んだ。選抜大会では永井監督の「エンジョイしろ!」の言葉に送られて、部の新たなページを開いた。