ロボット研究製作部の集合写真(前列左から3人目が中村君=高野雅裕撮影)

今年1月に開催されたロボットカーの全国大会「ジャパンマイコンカーラリー」の上級者部門で、長野県駒ヶ根工業高校ロボット研究製作部の中村俊介君(3年)が優勝を果たした。部活の仲間と刺激し合い、助け合いながら2連覇を目指す。
(高野雅裕)

前年の課題を克服し見事V

マイクロコントローラ(マイコン)を搭載したロボットカーが1周55.8メートルのコースを自律制御で走り、そのタイムを競う同大会。中村君は1年生の時に初出場したが、ベスト16で敗退した。「まだ技術的な面で力不足だった。大会では緊張して、マシンが思うように走らなかった」と振り返る。2度目の挑戦となった今大会は「車体や部品の加工精度など改善点を念入りに仕上げられたので、自信を持って臨むことができた」という。

決勝トーナメント準決勝ではマシンがコースアウト。だが対戦相手もコースアウトし、命拾いの勝利となった。「その時は終わったと思ったが、運も味方についたと、気持ちを切り替え挑んだ」。決勝で勝利し、全国制覇を成し遂げた。

ジャパンマイコンカーラリーで愛車の「緑翼」を走らせる中村君(写真中央=駒ヶ根工業高校提供)

職人気質、後輩の憧れの的

顧問の下澤克子先生は中村君について「自ら率先して作業に取り組み、下級生の手本になる」と評する。同部の飯島靖之君(3年)は「彼は職人気質。納得するまで、とことんやり尽くす。常にマシン性能を向上させるため、余念なく作業に当たる。部員たちの憧れの的」という。

中村君は「大会は個人戦だが、『チーム駒工』として皆で優勝を成し遂げたい。マシントラブルがあっても、互いにアドバイスし、共に向上している」という。現在の心境は「時間のある限り、妥協はしない。悔いを残さないように、やりきる」と万全を期す。

大会では、地域の人々から贈呈された「真剣勝負」の横断幕を掲げる。「ここまで一人では決して来られなかったので、皆に感謝して連覇を目指す」と力強く抱負を語ってくれた。

【TEAM DATA】
部員21人(3年生5人、2年生3人、1年生13人)。競技別にマイコンカー班とキャリー班に分かれ活動する。ジャパンマイコンカーラリーは2008年に初出場して以来、8年連続出場。今年、2年ぶり3度目の優勝、長野県勢としては4年連続4度目の優勝。