温暖な環境と水がある可能性

 

太陽系から最も近い恒星の周りに、地球に似た温暖な環境と水が存在する可能性のある惑星が発見された。英国などの国際チームが英科学誌ネイチャー(電子版)に発表したもので、地球と同じような生命体がいる可能性もあるという。

「最も近い」が到達には3万年

惑星は地球から4.2光年の距離にある恒星「プロキシマ・ケンタウリ」の周りを回っており、「プロキシマb」と命名された。地球に似た岩石質でできており、重さは地球の1.3倍ほど。これまでにも液体の水が存在できる地球サイズの惑星は見つかっているが、いずれもはるかに遠いことが問題だった。

ただ、「最も近い」とはいっても、現在の宇宙船技術では到達するのには約3万年かかる。このため、宇宙物理学者のスティーブン・ホーキング博士らは、光速の5分の1の速さで飛行し、この恒星系に20年程度で到達できる超小型探査機を開発して生命体を探す計画を表明している。

「生命のある星は…」探索続く

米航空宇宙局(NASA)によると、太陽系の外にある太陽系外惑星は今年までに3千個以上発見されている。液体の水が存在できるなど、恒星から届く熱エネルギーが適度で岩石質でできた惑星は、地球外生命体が存在する候補地として熱心に探索が進められている。特に、太陽系から近い惑星は将来の移住先候補地として関心が高い。