国を超えて政策を議論した10代はすっかり仲良くなった(ⓒUNICEF)

先進7カ国首脳会議(G7サミット)に先立ち、各国の10代が世界の課題について話し合う「J7ユース・サミット」が5月6日から14日までドイツで開かれた。19カ国54人が参加。日本からは、渋谷教育学園渋谷高校(東京)の2年生6人が派遣された。

ユース・サミットが開かれるのは6年ぶり。参加者は「環境」「健康」「女性の権利」「公正な経済」などを班ごとに議論し、政策をまとめた。海外の10代は、自分の意見を言うのに積極的。通訳がつくが、議論のスピードは速かった。堀口維里優君は「自分の意見を思いついたらすぐ言わないと、すぐ次の話題に変わってしまった」と話す。石川智尋さんは「話の流れをいったん止めてみんなを冷静にさせるなど、自分なりに貢献できた」という。

一生の友達ができた

政策をメルケル独首相に伝える会議もあった。海洋保全のための条約を提案した足立愛音さんは「首相は、提案をうわべだけ褒めるのではなく、実現の難しさなども真摯に説明してくれた」と振り返る。

初対面だった各国の10代は、夜を通して語り合うほど仲良くなった。「54人は家族のようなもの。一生の友達ができた」と右田未来さん。

来年のG7サミットは日本で開催される。6人は6月2日、安倍晋三首相を訪ね、今年のユース・サミットの報告をすると共に、来年の開催を要望した。「日本の多くの学校の生徒に、このサミットについて知ってほしい」と6人は話している。 (西健太郎)