ラクロス部の練習道具、フォーメーションなどを書いた「ラクロスノート」、タブレットなど

本音で語れる友人ができた

中学生のころから途上国の支援に関心があったという澤山友佳さん。国際政治経済学を学ぼうと考え、経済学部への進学が多い東京大学文科Ⅱ類に進学した。

東大の1・2年生は、教養学部で幅広く学問を学ぶ。大きな刺激になったのは、文学部の高山博教授が1・2年生のために開く授業「国際政治・経済・社会の変容とメディア」(通称・高山ゼミ)だ。

希望者から1学年9人が選考されるゼミ形式の授業で、毎週、英国の経済誌エコノミストの記事や学生が選んだテーマを題材に発表や議論を行った。合宿では学生同士、将来の夢やそれを実現する方法を語り合った。「本音で語れる友人ができました。いろんなテーマに触れるうちに自分の興味も明確になっていきました」

ウガンダを訪れ進路が見えた

授業外でアフリカ研究のサークルにも参加。1年生の終わりにメンバーでウガンダを訪れ、政府機関を訪問。農村にホームステイしたり、現地の大学生らと意見交換をしたりもした。

ゼミやウガンダ訪問を通じ、自分が途上国にどうかかわりたいのかが明確になった。「途上国のブランディングに、ビジネスとして取り組みたい」。植民地を経験したウガンダは、富を生む手段に乏しい。でもウガンダにしかない魅力はたくさん隠れている。それを見いだして海外に発信し、多くの人に知ってもらい、アフリカのイメージを変えたいと考えたのだ。ちょうど、運動神経や体格で劣る自分が部活動でチームスポーツに取り組むに当たり「他の人にない強みを伸ばしてアピールしよう」と心掛けているように。「ウガンダを自分に重ねて、どうしようもない共感を覚えました」

ラクロス部や学園祭でも奮闘

大学入学時とは志望が変わり、3年生から文学部の社会心理学専修に進んだ。教養学部で受けた心理学の授業が面白かったのがきっかけの一つ。少人数の参加型授業が多いのも魅力に感じた。「ある国のイメージはどのように作られるのか、どんなメッセージを発信すれば人々の心が動くのかなどブランディングにつながることを学びたい」

課外活動も活発に取り組む。高校ではバスケットボール部だったが、大学ではラクロス部に所属。練習は、週4、5日。「学生が主体となって、勝つ方法や、将来を見据えたチーム作りなどについて考えられるのが面白いです」

昨年秋の教養学部の学園祭「駒場祭」では、女子学生に呼び掛け、学園祭限定のアイドルグループ「東大娘。」を結成した。「自己満足で終わらせず、クオリティーを追求したかった。練習の時間を合わせたり、目標を一つにしたりするのに苦労しましたが、学園祭直前にはみんなの気持ちが一つになりました」。5月にある学園祭「五月祭」でも舞台に上がる予定だ。

(文・山口佳子、写真・幡原裕治)