未来のお笑いスターを目指せ!日本一面白い高校生を決める「ハイスクールマンザイ2013~H-1甲子園~」(よしもとクリエイティブ・エージェンシー主催、文化庁・高校生新聞社など後援)決勝大会が10月14日、〝お笑いの聖地〟大阪・なんばグランド花月(NGK)で開かれた。近畿地区代表の「サイクロン」は準優勝に輝いたが、その「喜び」よりも、優勝を逃した「悔しさ」に涙を流す熱い漫才師だった。(文・土谷美樹、写真・白井邦彦)
優勝の栄冠を逃した瞬間、2人は悔し涙を抑えることができなかった。ボケ担当の夏目陵介君(兵庫・六甲アイランド高校3年)は舞台の緞帳が下りた瞬間、倒れ込むように床を拳でたたき、号泣。ツッコミの櫛野駿太郎君(同校3年)も、天を仰ぎ目を真っ赤に染めた。
頂点は逃したが準優勝だ。しかし、「優勝しなければ意味がない。本当に悔しい」と声を絞り出した。その熱さに、審査委員長のオール巨人さんも「悔しくてこんなに泣いた出場者を初めて見た。それだけ一生懸命やったということや。スゴイ」とねぎらうほどだった。
長く続くお笑いブームの中、11回目を迎えた今大会には「日本一おもろい高校生」を目指し、518組が応募。全国43会場の予選を勝ち抜いた6組がこの日、憧れのNGKの舞台を踏んだ。客席には家族や先生、友人が駆けつけ、開演前から熱気ムンムン。開催地代表の「サイクロン」には、約100人もの大応援団が結成された。
2人は「出番直前は心臓が飛び出るほど緊張した」というが、舞台では不思議と緊張しなかった。ネタ作りでケンカするほど真剣に向き合い、毎日のようにけいこを積んだ自信があったからだ。
コンビを組んだのは昨年12月。夏目君からのラブコールに櫛野君が応えた。2人で話し合ってネタを作り、家の近くを流れる川沿いの空き地でほぼ毎夜練習した。
2人とも将来はプロを目指したいという。「今日の悔しさはプロになって晴らします」。2人は最後まで熱かった。