7月28日から8月20日まで、北部九州の4県で開催された全国高校総体(インターハイ)。陸上競技は大分スポーツ公園大分銀行ドームで7月30日から8月3日まで行われた。5000㍍競歩では、男子が山西利和(京都・堀川3年)=京都・長岡三中出身=、女子は河添香織(京都・立命館宇治3年)=京都・大住中出身=が、ともに大会新記録で優勝した。 (文・小野哲史、写真提供・月刊陸上競技)

山西利和(京都・堀川3年)

山西は、7月の世界ユース選手権で日本勢として初めて男子1万㍍競歩の金メダルを獲得した。世界の舞台では「たとえステージが違っても、自分がやるべきこと、勝負する上で大切なことは変わらない」と学んだ。

2位に食い込んだ昨年のインターハイは「半ば勢いだった」と言うが、京都市内予選会で高校歴代6位となる20分16秒00をマークして乗り込んだ今大会は「19分台も意識しましたが、まずは日本一になる」と、優勝にこだわった。

決勝では「1000㍍までは自分のペースでレースを落ち着かせ、3000㍍以降にペースアップ。残り600㍍で、春先から練習してきたラストスパート」と、ほぼ狙い通りのレースを展開。終盤に歩型の注意を二度受けたが、終わってみれば20分55秒24の大会新記録樹立という快勝だった。

【やまにし・としかず 】
1996年2月15日、京都府生まれ。高1の6月に先輩に憧れて競歩を始めた。今年2月の全日本ジュニア選抜競歩では大会新記録で優勝。164㌢、51㌔。(小野撮影)

河添香織(京都・立命館宇治3年)

河添の原動力となったのは、昨年のインターハイの苦い経験だった。終盤までトップの選手に食らいつきながら、歩型違反で残り1周を前に失格。「悔しかった。来年は絶対優勝するんだと、この1年間やってきた」と語る。

今大会は冷静にレースを進めた。「上に跳んで違反を取られることが多いので、肩を上げないようリラックス(する動き)を何回も入れた」。終盤は世界ユース選手権2位の溝田桃子(静岡・伊豆中央3年)=静岡・函南中出身=と一騎打ちに。「練習の時から、最後の競り合いをイメージしていた」。残り200㍍で突き放し、22分45秒28の大会新記録でゴールした。 競歩では、ゴール後に失格を宣告されることもある。「(警告の)赤ランプが2個ついていたので不安だった」と言う。ゴールから数分後、係員に優勝確定を知らされると、「去年と同じ失敗はしたくなかった。1年間頑張ってきて良かった」と涙を流した。

【かわぞえ・かおり】
1995年9月30日、京都府生まれ。中長距離出身で、2011年には全国都道府県対抗女子駅伝に出場し、優勝メンバーに名を連ねた。5000㍍の自己ベストは22分38秒53。158㌢、48㌔。