シュールズ准教授(左)と松本教授

[立教大学 経営学部 国際経営学科 松本茂教授、ダグラス・シュールズ准教授]

学科の専門科目の75%が英語で講義される経営学部国際経営学科。学部設立当初からあるBBL(バイリンガル・ビジネスリーダー・プログラム)は、英語による専門分野の理解と語学力養成を目的とするコアカリキュラムだ。「BBLのすべての授業で、ビジネスにフォーカスした内容の教材を独自に制作して使っています」と同学部の松本茂教授。まずは1年次春学期から段階的にレベルアップする英語コミュニケーション科目EAP(English for Academic Purposes)などにより、2年次までに“英語でビジネスを学べる英語力”を養成するという。

なかでも1年次夏のOverseas EAPでは、ほぼ全員がカナダまたはオーストラリアの提携大学に3週間留学。英語力を身につけながらビジネス課題に取り組む。3年前にカナダの大学でOverseas EAPを経験した瓦林真季さん(4年)は「地元のワイナリーを訪問し、カナダ産ワインの輸出量を増大させるための方策についてビジネスプレゼンテーションを行いました」と振り返る。

英語による専門科目の学びを
サポートする科目も

英語による専門教育が本格的にスタートするのは2年次。まず日本語による「国際経営論」を春学期に、ほぼ同じ内容を英語で学ぶ「International Business」を秋学期に履修する。多くの学生にとって英語で開講される専門科目は「International Business」が初めて。ノートの取り方など戸惑うことも多いが、それをサポートするための科目ESP(English for Specific Purposes)が用意されているから安心だ。

ESPを担当する教員の一人、ダグラス・シュールズ准教授は「この授業では英語特有のロジックや、海外でも通用するプレゼンテーション能力を身につけ、専門分野の学びに生かしてほしい」と話す。

留学生との多国籍チームで
ビジネスモデルを企画・提案

3・4年次には国際ビジネスの企画から提案までを留学生との多国籍チームで体験できるBusiness Projectが開講される。たとえば2015 年度の課題は「2025年までの10年間の株式会社QVCジャパンの成長戦略としての新たなプランを提案してください」というもの。学生たちは業界研究や実地調査、チームでの話し合いなどを経てQVCジャパン本社での最終プレゼンテーションに臨み、講評をいただいた。

なお、同学科は海外からの交換留学生が年間100名にのぼり、専門科目の受講者の半数近くが留学生ということも珍しくない。「できるだけ多くの学生に留学や海外インターンシップを経験してほしいのですが、池袋のキャンパスで4年間学ぶだけでも、留学とほぼ同様の体験ができます」(松本教授)

日本語と英語、両方を使って
ビジネスの世界で活躍する

 国際経営学科の学生は大企業への就職率が高い。その理由はこうしたプログラムによって、日本語と英語、どちらを使う場面でもビジネス課題に取り組める力を養っているからだ。「本学科の学びのコアとなるのは英語そのものではなく、あくまでビジネスの体験や専門知識。卒業後は日本語と英語、その両方を使ってビジネスの世界で活躍できる学生を育てています」と松本教授。英語が好きな高校生に「英語を使って将来何をしたいか、まずはそれを考えてほしい」とメッセージを送った。

 先輩に聞く
国際経営学科4年 谷川ゆりかさん(神奈川・橘学苑高等学校出身)
 3年次で履修したBusiness Projectでは、デンマーク人、フィンランド人、アメリカ人と私の4人でグループワークを行いました。授業は週に一度ですが、昼休みや放課後に毎日集まり、さらにオンライン上でも常にディスカッション。タスクを振り分け、成果をひとつにまとめるためのコミュニケーションを学ぶことができました。日本にいながらにして留学同様の体験ができるのがこの学科に入ってよかった点です。力がついた実感があります。
国際経営学科4年 瓦林真季さん (東京都立国際高等学校出身)
 英語だけできても外国人や帰国子女には勝てない、+αの何かを身につけたいと思って国際経営学科に入りました。3年次の秋学期には東欧スロベニアの大学に交換留学。現地の学生に混じって授業を受けました。とくにつまずくこともなく、ヨーロッパから見たアジアのビジネスなどを学べたことが大きな収穫です。この学科に入ってよかったのは、使える英語が身についたこと。学生間の距離が近いところも気に入っています。

 

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