土浦湖北高校陸上部の斉藤真理菜さん(3年)は、昨年のインターハイ女子やり投げで初優勝を果たし、国体と日本ユース選手権も制覇。2年生ながら「高校3冠」に輝いた。強肩と競技に対する真摯な姿勢で高校最後のシーズンに懸ける。 (文・写真 小野哲史)

インターハイではダークホースだった。昨年の高校女子やり投げはレベルが高く、大会前のランキングでは出場選手中4番手。ライバルには世界大会に出場した経験を持つ3年生が複数いた。自身は「3位以内に入れたらいいな」程度にしか考えていなかった。

そんな心境が奏功したのか、予選で高校歴代6位となる53㍍47をマーク。決勝でも52㍍98を投げ、一気に女王の座に駆け上がった。自信をつかんだ斉藤さんはその後、国体と日本ユースも制し、昨年を「成長できたシーズンだった」と振り返る。

小学3年から中学までは野球に熱中。中学3年の時、陸上部の先生に誘われて出場したジュニアオリンピックで現顧問・山崎祐司監督の目に留まる。「伸びる余地はかなりあるなと。外野手としての投げ方がやり投げに向いていた」(山崎監督)

野球かやり投げか。迷った末に土浦湖北に進んだ斉藤さんは、「自信があった」という強肩でメキメキと力をつけてきた。かつて円盤投げで活躍した山崎監督から「集中力がずばぬけており、大試合に勝負強さを発揮できる選手」と期待されている。運動場を他の部と共有しており、体の疲労も考慮し、練習でやりを投げるのは週3、4回。多くの時間を基礎体力づくりに割く。

「やりが、きれいに飛ぶと楽しい」と、斉藤さんは笑顔を見せる。今年の最大の目標は夏のインターハイ。「55㍍を狙いたい。筋力も技術も向上させて、また優勝したい」と力強く語った。