グーグルが開発中の自動運転車(同社提供)

世界の自動車大手各社が自動運転システムの開発で激しい競争を繰り広げている。自動車事故の9割以上が運転手のミスが原因とされ、「究極の安全技術」を実現するのが目的だ。

トヨタなど2020年実用化目指す

米IT大手グーグルはこのほど、欧州自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズと自動運転車の共同開発で提携。グーグルは、ハンドルもない完全自動運転車の実現を目指しているとされる。

日本でもトヨタ自動車とホンダが、東京五輪・パラリンピックが開催される2020年をめどに、高速道路で自動的に車線変更ができる車を実用化する方針という。トヨタはシリコンバレーに人工知能(AI)技術の研究や開発を手掛ける会社を設立した。日産自動車も20年までに一般道の自動運転を可能にする目標を掲げる。

事故減少を期待、課題も

自動運転はITを駆使しハンドルやブレーキの操作をしなくても走行する仕組みで、渋滞解消や事故減少が期待される。

文字通り「夢の車」だが、実用化にはまだ課題も多い。車体のカメラやセンサーで周囲の車や白線の位置を把握して走行するが、現段階では急に障害物が出現した時など、とっさの事故を回避するにはドライバーの存在が欠かせない。また、ハッキング対策も重要で、より高度なセキュリティー対策の必要性が指摘されている。