目標に向かって取り組んだ練習が、結果にしっかり結びついた

リオ五輪競泳代表に高校生4人

ブラジル・リオデジャネイロ五輪(8月)代表選考会を兼ねた競泳の日本選手権が4月に開かれ、4人の女子高校生が一発勝負のプレッシャーをはねのけて代表入りを決めた。4年に1度の世界最高峰の舞台に挑む高校生スイマー4人の素顔とは。
(文・田坂友暁、写真・中村博之)

目標があるから頑張れた

200メートル自由形の決勝で3位に入り、800メートルリレーでの五輪代表入りを決めた持田早智(千葉・千葉商科大付2年)。五輪出場という目標を達成するには何をすれば良いかを考えた結果、持ち味である後半の粘りを強化する道を選んだ。

「最終的な目標とその道筋を考えて紙に書き起こして、自分の目につく所に張っています。気分が乗らないときでも、それを見れば頑張れるんです」

「決めたことをやり遂げるんだ」という強い意志を持てたことが、この1年で持田を大きく成長させた。前半の100メートルを7位で折り返してから、後半の100メートルで3人をかわした決勝レースの展開を見れば、取り組んだ練習の成果が実を結んだことは一目瞭然だ。

素顔は照れ屋

ショートカットが似合い、活発なイメージが強い持田は「これ(ショートカット)も自分の特徴の一つかなって思っています」と、高校生らしい照れた表情を見せる。だが、五輪での目標を聞かれるとアスリートの表情に戻り「自分の持ち味を生かして、冷静に泳げるようにしたい」と話す。努力と意志の強さを武器に、自己記録更新を目標に定めて五輪に臨む。

もちだ・さち
1999年7月19日生まれ、奈良県出身。千葉・打瀬中卒。ルネサンス幕張所属。6歳で水泳を始める。2015年インターハイは1年生ながら100メートル、200メートル自由形で2冠を果たす。リオ五輪には800メートルリレーに出場予定。165センチ、58キロ。