諸田歩さん(東京・小山台高校3年)の絵画作品「シーン」を紹介します。水槽の中を泳ぐカクレクマノミを描いたこの作品は、第49回全国高校総合文化祭(かがわ総文祭2025)の美術・工芸部門に出展されました。作品へのこだわりや制作中のエピソードを聞きました。(文・写真 椎木里咲)

「水族館のカクレクマノミ」を描いた

―作品のテーマを教えてください。

水族館がとても好きなので、「水族館の美しさ」を表現したくて、水槽内を泳ぐカクレクマノミを描きました。水族館は海と違って、「人に見られる」ことが前提です。岩やサンゴの置き方など、人間が見て「美しい」と思うように工夫されているのが面白いと感じています。

諸田さんと作品「シーン」。リアルな岩の質感を目指して描いたという

―こだわったり、工夫したりしたポイントは?

コントラストを強くした部分です。水族館は暗いけれど、水槽は明るく照らされています。実際の水族館のように、「暗いところで明るい水槽を見る」感覚になれるような絵を目指しました。

「リアルな岩」の表現目指し

―難しかった部分は?

岩の質感です。水族館に行くと魚自体は注目していたので、カクレクマノミは意外とすんなり描けたのですが、岩はじっくりとは見ていなかったので難しくて……。いろいろな水族館に通って観察しました。

ゴツゴツした感じを表現するため、筆を押し付けるようにして描いています。荒く、でも細かく筆を重ねて、遠くから見ると本物の岩のようなリアルな質感を表現できました。

親との会話が制作を支えた

―制作中、印象に残っているエピソードはありますか?

締め切りギリギリで仕上げたので、美術室はもちろん、家に持ち帰り描いていました。リビングでは親が話し相手になってくれたのですが、話しながら描くと自分は何を描きたいかが分かって筆が進みました。

―良い作品を作るためのアドバイスを教えてください。

いろいろな絵を見るのが大事です。例えば、同じものを見ても、人によって色の見え方は違います。「この絵を描いた人には、こんな色に見えているんだ」と、気づきを得られると自分の絵の幅も広がると思います。