世界大会を目指すロボット班のメンバー

昨年、ロボカップジュニア(RCJ)のサッカーAカテゴリーで全国優勝を果たし、世界大会(オランダ)にも出場した奈良・帝塚山高校理科部ロボット班。ロボットの製作、操作、修正を繰り返し、世界大会での上位進出を目指す。 (文・写真 白井邦彦)

目標はグランドスラム達成

実験班、天文班、ロボット班の3本柱で活動している同部。ロボット班は発足7年と歴史は浅いが、2010年から4年連続でロボット競技の世界大会に出場を果たしている。

世界への道が開かれている国内の大会は、年間に3つある。「ロボカップジュニア」「ワールドロボットオリンピアード(WRO)」の2大会は、すでに世界大会を経験した。残る「ファーストレゴリーグ(FLL)」で世界大会に出場すれば、日本初のグランドスラム達成となる。

壮大なテーマに挑む

部室の練習コースでロボットに不具合がないかをチェックする

活動は通常週5日で、平日の放課後約2時間と休日の約8時間。大会1カ月前は毎日ロボットの製作、操作練習、修正をひたすら繰り返す。

現在は8月から始まるWROに向けての準備で大忙し。今年の大会テーマは「宇宙」。これをロボットでどう表現するかを競う。何をアピールするかは自由だが、プレゼンテーションなどがないため、全てをロボットだけで審査員に伝える。部長の湯村航平君(2年)は「ゼロからアイデアを練る難しさはあるけれど、その分、いい成績を残せた時はすごく達成感がある大会」と話す。

昨年、1人で二足歩行ロボットを製作し、RCJ(ダンス部門)全国3位に輝いた田中佑真さん(2年)は「WROのオープンカテゴリーに出るつもりですが、テーマが壮大過ぎて苦戦中」と話す。8月の県予選、9月の全国大会に向け、部活の時間は今まで以上に増えていきそうだ。