高津高校書道部から、今年度2人の全国優勝者が誕生した。「書の甲子園(国際高校生選抜書展)」で松本芽瑠さん(1年)が、公式書写検定で島田葉月さん(3年)が、文部科学大臣賞に輝いた。部の強さの理由とは。( 文・写真 山口佳子)
松本さんは、高校入学後に本格的に書道を始めた。廊下や会議室に展示されている先輩たちの書に憧れ、「自分もあんな字が書きたい」と入部した。初めての夏合宿で書いた作品が、「書の甲子園」で文部科学大臣賞を受賞。偉業にもピンとこなかったが、2月3日の表彰式に出席して、「すごい賞をもらったことがようやく実感できました。これからも、この賞に見合う字を書いていきたい」と思うようになったという。
強豪として知られていた部は、この3年間でさらに飛躍した。中心となったのが、前部長の島田さんだ。
島田さんは、部員全員で一つの作品を仕上げる書道パフォーマンスがあることを知ると、大室秀寿先生に「やりたい!」と、同級生と共に直訴した。島田さんたちの熱意は部全体を盛り上げた。入部時に週2、3回だった練習日は週6回に増えた。
「パフォーマンスや合宿などを通じて、先輩後輩、みんな仲がいい」と、部長の松井萌映さん(2年)は胸を張る。部を支えているのは抜群のチームワークだ。松本さんも「部員同士で作品を批評し合うことが大きかった」と語る。後輩の偉業達成は、先輩の支えなしでは達成できなかった。