進学を考えるとき、避けては通れないのが経済的な問題。負担を軽くする決め手は、なんといっても「奨学金」。なかでも独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は大学生の約3人に1人が利用するほど普及しています。

第一種・第二種とそれぞれ選考基準はありますが、「『自分は無理』と諦めず、とにかく学校(高校在学中は高校、進学後は大学)の奨学金窓口に相談してほしい」と日本学生支援機構政策企画部・前畑良幸さんはアドバイス。このほか、独自の奨学金制度を設けている大学も多いので、組合せた利用を検討してもよいでしょう。

日本学生支援機構の奨学金

Q1 どんな種類の奨学金がありますか?

A1 無利子の第一種と有利子の第二種があり、どちらも卒業後の返還が必要な「貸与型」。成績・世帯収入などの選考基準は第二種の方がゆるやかで、第一種と第二種をあわせて受けることも可能です。

また入学当初の一時金として、有利子奨学金を最高50万円まで受けられる制度もあります。ただし振込みは入学後で、入学金の払込みには間に合わないので注意が必要。他に海外留学のための奨学金もあるので、希望する人は早めに相談を受けましょう。

 

Q2 申込みの時期はいつですか?

A2 高校3年時に申込む「予約採用」と大学入学後の春に申込む「在学採用」があります。在学採用の場合は初回振込が7月頃になるため、その間の資金に不安があるなら予約採用がオススメ。今年度の予約採用は今からなら第二種の第3回募集期間(12月中旬~)に間に合います。

Q3 成績・世帯収入などの基準を満たしていれば必ず採用されますか?

A3 採用数に限りがあるため、必ず採用になるとは限りません。申込み時に「第一種を希望するが、不採用の場合は第二種を希望する」などの併願をしておくと安心です。 また予約採用時に不採用になったとき、在学採用時に再度申込みすることができます

 

Q4 奨学金はどのように返還すればよいですか?

A4 第一種、第二種とも卒業後6ヵ月経過後から返還をスタート。ただし失業や低所得などで返還が難しくなったとき、願い出を出すことによって返還期限が5年を限度に猶予される場合もあります。

また今年度より、第一種の基準を満たし、奨学金申込時の家庭の所得が一定以下であるとき、卒業後、本人の収入金額が一定以上になるまで返還期限が猶予される制度も始まっています。

とはいえ日本学生支援機構の奨学金は、先輩の返還したお金が後輩に貸与される仕組み。必ず返還しなければならないことに変わりはありません。

その他の奨学金

Q5 他にはどのような奨学金がありますか?

A5 多くの大学で大学独自の奨学金制度を設けています。なかには返済の義務のない給付型の奨学金もあるので、条件に合えば活用するとよいでしょう。

この他、奨学金には各自治体や企業の育英団体などによるもの、医療・福祉など特定分野の進学者を対象にしたものなども。いずれも早めの情報収集を心がけましょう。