吹奏楽部の練習は、発声練習から始まる。音程や表情チェックなど、合唱部かと思うほどの厳密さ。県大会では常にトップレベル、「全日本高校吹奏楽大会in横浜」には13年連続出場、毎年5月に行われる定期演奏会は今年で26回目。コンクールや校内行事はもちろん、特別支援学校や老人介護施設でのコンサートなど、演奏を披露する機会は年に30回を超える。「ミュージカル仕立て」のステージでも知られ、10 〜20人の部員が曲に合わせた登場人物に扮ふんし、フロントでダンスを踊り演じながら演奏要員としても参加する。

今年から顧問を引き継いだ田村静香先生も部のOGだ。「前任の先生は声楽がご専門なので、ミュージカルスタイルを取り入れたのではと思います。それが楽しみで入部してくる生徒もいますから、その気持ちを大切にしたいですね。パフォーマンスを取り入れたことで、部員の表現力も磨かれたと思います。ダンスは外部の先生に指導していただいています」

演奏会やコンクール前の練習は毎日午後7時まで。その後も遅くまで、あるいは朝早くから個人練習を行う部員も多い。周囲が住宅地ではないため、時間を気にせず楽器の音出しができる。「部員はみんな仲が良く、楽しい部だと思います。練習以外でも仲が良く、新年会から忘年会まで、自分たちで出し物を考えて音楽室でイベントもやっています」と部長の濵田春美さん(3年)。その絆は卒業してからも続き、「卒業から3年間は定期演奏会の裏方をやってくれたり、コンクールで楽器の搬出や搬入を手伝ってくれたりと、卒業生の力は大きいですね」と田村先生。

昨年は、県の吹奏楽コンクールで優勝を逃し、関東大会に進めなかった。「今年はもっといい結果を残したいです」(濵田さん)と気持ちも新たに前進を続ける。(文・写真 鈴木佳代子)

学校紹介
1980年創立。木村直人校長。生徒数922人。創立以来特色ある国際理解教育を行う。