脱毛サロンで高額な契約をしてしまった、化粧品を定期購入契約して毎月高い支払いを強いられる……。18歳になれば一人で契約できるようになった。そのため、中には高額な契約トラブルになるものもある。全国の消費者トラブルに対応する国民生活センターで、相談などを担当する安井大智さんと布施杏奈さんに、高額契約をめぐる注意点を聞いた。(黒澤真紀)

お試しのつもりが「定期購入契約」で高額請求…

―高校生が巻き込まれるリスクがある、「高額な請求」を伴うトラブルの例を教えてください。

高額な契約は慎重に!

化粧品や健康食品が「初回500円」などと安く表示され、「お試しで1回だけ」と思って注文したものの、実は「定期購入契約」になっていて、2回目以降も商品が届き高額な請求を受けるケースが多いです。特に、女性向けの化粧品やダイエットサプリ、男性向けの筋肉増強サプリや除毛剤がトラブルの対象になりやすいです。

―通販以外でもトラブルはありますか。

脱毛エステのトラブルも寄せられています。SNS広告を見て脱毛サロンに行き無料カウンセリング受けたところ、高額なコースの契約を勧められ、そのまま契約してしまったケースが報告されています。

注文画面をスクショで残す

―気をつけるべきポイントはありますか?

通販では法律上のクーリング・オフがありません。最近は安価な価格の広告で消費者の興味を引き、実際は定期購入で「解約には3回以上の購入が必要」などの条件があり、トラブルになるケースが相談窓口に多く寄せられています。そのため、注文時にウェブサイト内の表示をしっかり確認しましょう。契約内容や金額が曖昧なときはよく見定め、

必要であればスクリーンショットで証拠を残しておきましょう。広告や注文確認画面を画面が変わるたびにスクリーンショットで保存しておくと、後から確認する際に安心です。

―脱毛サロンなどで契約した場合も、解約はできますか?

契約金額が5万円を超え、契約期間が1カ月を超えていれば、特定商取引法に基づく「特定継続的役務提供」に該当し、クーリング・オフや中途解約が可能です。

「未成年者取消権」が使える場合も

―未成年者が契約する際、気を付けるべきことはありますか?

未成年者が親の同意を得ずに契約した場合、民法の「未成年者取消権」により契約を取り消せます。ただし、親の同意を得たと偽って契約したり、成人だと偽って契約したりした場合は、この権利が使えなくなる可能性があるため、注意が必要です。加えて2022年に成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。18歳になると未成年者取消権は使えません。

不安な場合はその場で無理に契約しないで

エステ契約などの場合、一般的に未成年者には親の同意書が求められます。無理に契約を迫る業者を選ばないのが安心です。

高校生でアルバイト収入があると「月々2万円の分割払いなら払えそう」と思ってしまうかも知れませんが、総額が20万円以上になり、後々の大きな負担に。慎重に考えましょう。

最近ではエステ業者の倒産も増えているため、長期契約はリスクが高まっています。まずは短期間や都度払いで契約し、自分に合うかどうかを確かめるのが安全な選択です。何よりも、お小遣いの範囲内で楽しむのが無理なく利用するためのコツでしょう。

クーリング・オフは「8日以内」に

―もし契約した後に「やっぱりやめたい」と思ったら、どうすればいいですか?

「特定継続的役務提供」に該当し、クーリング・オフが適用される契約であれば可能です。「契約書面を受け取ってから8日以内」という期限があるので、「やめたい」と思ったり、金額が高すぎると気づいたりしたら早めに相談してください。お金を支払い続けてしまっては相手の思うつぼ。身近な大人や親はもちろん、消費者ホットライン「188」に連絡するのも一つの方法です。

―高額な購買トラブルに巻き込まれないために、気をつけるべきポイントはありますか?

商品やサービスを契約する際、相手の説明をうのみにせず、慎重に確認することが大切です。初めての脱毛エステの契約などは、無理に契約せず、一度持ち帰ってよく考えてください。

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独立行政法人国民生活センター

消費者の安全・安心を守るため、消費生活に関する情報提供や相談窓口の運営を行う機関。高校生でも利用可能で、困った際は全国共通の消費者ホットライン「188」を使えば、最寄りの相談窓口につながる。

消費者トラブルFAQ