インターハイのボクシング競技で過去、団体優勝2回、優勝者10人を輩出している札幌工業高校から、今年も4選手が全国の舞台に立つ。長所を伸ばす練習と、全日制、定時制選手の切磋琢磨で、表彰台を狙う選手が次々と出ている。
自分で考え、自分のスタイルを築く部の伝統の中から、今年もパンチ力の秀でた阿部龍征君(定時制3年=ライト級)、アウトボクシングが特徴の奥田将太君(全日制3年=ピン級)といったタイプの違う選手が育った。「選手の優れているところに気付かせることを心掛けています」と顧問の佐藤秀行先生。
また練習時間が違う全日制選手(19人)と定時制選手(7人)の交流がお互いを高める。阿部君は「しばらく全日の練習に来ないと、みんなのレベルが上がっていて、頑張らなければと思う」と話せば、奥田君も「龍征らは全日の練習もして、練習量が多いので負けられない」と、刺激を受ける。
全国での戦いぶりが、後輩に託すメッセージになる。2年生で初出場の渡辺竣也君(ライトフライ級)は「練習から先輩の技術を真似して、自分のものにしたい」、同じく栁谷幸希君(ミドル級)は「やるからには優勝を狙いたい」と話した。大舞台で果敢に挑む魂も引き継がれる。 (文・写真 岡崎敏)