第二高校(熊本)箏楽部は、第48回全国高校総合文化祭(清流の国ぎふ総文2024)の日本音楽部門でベスト4となる文化庁長官賞を受賞した。優秀校東京公演では、息の合った演奏を披露し、観客を魅了した。(中田宗孝)
演奏ごとに「間」を作る
3楽章で構成される楽曲「三つのエスキス」を披露。「エスキス」とは、フランス語で「スケッチ」の意味。1楽章の演奏が終わるごとに、完全に音を止めて数秒の間を作り、奏者の気持ちを整え、奏者同士の気持ちもそろえたのちに次の楽章を紡いでいった。

3人の3年生が部を支えた
箏の音色によって、1曲の中で「3つの幻想的な風景」を描き出していくのが特色だ。演奏曲の完成度が磨かれたのは、十七絃の小川凛乃さん、第二箏の中島蘭さん、第一箏の覀田拓真さん(いずれも3年)の存在が大きい。「3年生は私たち3人だけ。練習後、どんな曲調を表現していくのがよいのか、音の強弱をどうつけようかと、3人で話し合いを重ねてきました」(小川さん)
箏楽部という部名には「箏を楽しむ」との思いが込められている。優秀賞東京公演での演奏をもって引退となる中島さんは、「部員みんなで楽しんで最後の演奏ができました。この舞台に立ててよかったです」とほほ笑んだ。