橋本高校(和歌山)邦楽部は、第48回全国高校総合文化祭(清流の国ぎふ総文2024)の日本音楽部門でベスト4となる文化庁長官賞を受賞。優秀校東京公演では、静けさと激しさを持ち合わせた曲を披露し、会場を魅了した。(中田宗孝)

「会場全体を飲み込む勢いで」演奏

演奏曲は「絃歌(げんか)」。2014年の全国大会で同部が日本一に輝いた際にも演奏され、歴代部員たちが奏で続けてきた大切な楽曲だ。

3年連続で優秀校東京公演への出場を果たした(優秀校東京公演で撮影=主催者提供)

演奏では、静かなパートと激しいパートが美しく交錯し、さまざまな情景を聞き手に抱かせる。「静かな音色の部分は、小さく深く音を響かせるイメージを持って。動の部分はダイナミックに。会場全体を飲み込むくらいの勢いで弾こうと意識しています」(松本莉奈さん・3年)

迫力ある音で観客をひき込む

曲の後半では「バチン! バチン!」と、まるで打楽器のような音を響かせる「バルトーク」と呼ばれる奏法を披露し、観客の注目を集めた。バルトークは、糸(絃)を支える可動式の「柱(じ)」を演奏中に外し、箏の木製の面に糸を当てる技法。「迫力のあるかっこいい音を鳴らすことができます!」(安井美咲さん・2年)