現役で難関大学に合格した高校生は、夏休みをどう過ごしていたのでしょうか。慶應義塾大学商学部に指定校推薦で合格した翠さん(大学1年)に、勉強の進め方や思い出について聞きました。
文化祭企画の責任者に
―高校3年間の夏休みを振り返って、印象に残っている思い出を教えてください。
私は高校時代、文化祭実行委員と生徒会に力を入れていました。中でも、2年生のときに文化祭実行委員で受験生向け企画の部門長を務め、夏休みに準備を頑張ったことが印象に残っています。
受験生と相談員である在校生が対話できる、受験生相談会を計画。相談員希望の生徒が100人を超えたため、相談会での注意点や段取りをまとめたマニュアルを作成、事前説明会も行いました。たくさんの下級生を引っ張る仕事で、大きな責任と重圧を感じました。
10月の文化祭本番では主に運営を担当し、相談員のシフトの管理や受験生の誘導などを行いました。無事に終えられた時の達成感は今でも忘れられません。
頑張りが大学生の今に生きる
―どんな力が付いたと思いますか?
自分から発言するタイプではなかったのですが、部門長の仕事を通じて、自主的に立ち回りみんなを率いるリーダーシップが身に付きました。
大学に入ってから、ディスカッションで司会を務めてコミュニケーションを円滑にしたり、発言を促したりする場面で力が発揮でき、文化祭での経験がとても役に立っています。自分の意見をはっきり伝えられるようにもなりました。
集中できる環境を見つけて
―高校1・2年生、3年生で、夏休みに何を意識しどんな勉強をしたか教えてください。
1、2年生の夏休みは、関東の私大を中心に6校のオープンキャンパスに行き、自分に合う大学を探してモチベーションを高めながら、勉強面では英語の文法事項などの基礎固めをしました。3年生では英語のリーティングの問題集や国語の共通テストの過去問などの演習問題に本格的に取り組んでいたため、英単語などの基礎はスキマ時間に復習しました。
―入試方式はいつ決めたのですか?
1年生の成績が予想よりもよかったので、その頃から指定校推薦で進学したいと考えていました。しかし、それだけではリスクが高いため、一般受験に向けた勉強も並行して行っていました。3年生の夏ごろに成績が定まるため、評定を踏まえて指定校推薦の志望校をどうしようか、第2志望の公募推薦でどこを受けようか、かなり悩みました。夏休みの前半は一般受験の勉強、後半は期末があったので学校の定期テスト勉強をしていました。慶應義塾大学商学部を指定校推薦で受けると決意したのは3年生の夏です。
気を抜かず、モチベーションの維持を
―高校時代の夏休みの過ごし方で後悔していることはありますか?
夏休みは毎日塾や学校の自習室に引きこもっていましたが、帰ったら疲れてスマホをいじってしまいました。お風呂や晩ごはん後もモチベーションを維持しながら勉強し続けることが本当に大切で、「まあいいか」と思って休んではいけないと思いました。
―後輩たちに夏休みを有効活用するためのアドバイスをください。
とにかく自分が集中できる環境を見つけてほしいです。私の場合、自習室が一番集中できてモチベーションを保てました。指定校推薦を狙っている人は特に長期戦だと思いますが、3年生はこの夏が最後です。一般受験に向けた勉強と並行しながら定期テストで全力を出してほしいです!